2012年3月28日水曜日

恐竜絶滅以前の多丘歯目哺乳類の適応放散

脊椎動物の歴史において中生代は爬虫類の時代、新生代は哺乳類の時代だとよく言われます。実際には新生代は鳥類の時代でもあるのですが、それはさておき、哺乳類の祖先は本当に中生代には恐竜のおかげで肩身の狭い思いをしていたのでしょうか?

Adaptive radiation of multituberculate mammals before the extinction of dinosaurs
Wilson GP, Evans AR, Corfe IJ, Smits PD, Fortelius M, Jernvall J.
Nature. 2012 Mar 14;483(7390):457-60. doi: 10.1038/nature10880.
PMID: 22419156 [PubMed - in process]

哺乳類は一般に恐竜が白亜紀末に絶滅した後に恐竜のくびきから解放されて多様化したと考えられています。しかし一方で哺乳類の中生代の化石には多様性が認められますを。著者らは中生代に繁栄した哺乳類のグループ多丘歯類の生態的多様性を体系的に解析しています。それによると多丘歯類の多様化は恐竜絶滅の2000万年以上前には始まっており、顎の形態から、食虫性から食植性への進化がはっきりと示されました.これらのことは哺乳類の多様化が恐竜の絶滅によって始まったのではなく、被子植物の進化によって引き起こされたのだということを示しています。

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