2012年5月30日水曜日

Repbase Reports Volume 12, Issue 5

Repbase Reportsの今年第5号が出版されました。今号では、ゲノムが読まれたショウジョウバエの1種Drosophila bipectinataの転移因子を報告しています。和名はフタクシショウジョウバエらしいです。

Repbase Reports Volume 12, Issue 5

Repbase ReportsはGIRIが発行している、真核生物の反復配列を報告するオンラインの科学雑誌です。配列、分類と簡単な特徴の報告だけですが、反復配列の一次情報源として論文でも引用されています。Repbase Reportsに掲載された配列は、反復配列データベースであるRepbase Updateに収録され、配布されます。学術研究者はユーザー登録することでどちらも無料で閲覧できます。

2012年5月22日火曜日

infantile neurodegenerative disease

重要そうだが、要約を読むだけではよくわからない論文。多分いろいろと表現が下手。

Mutation in a primate-conserved retrotransposon reveals a noncoding RNA as a mediator of infantile encephalopathy
Cartault F, Munier P, Benko E, Desguerre I, Hanein S, Boddaert N, Bandiera S, Vellayoudom J, Krejbich-Trotot P, Bintner M, Hoarau JJ, Girard M, Génin E, de Lonlay P, Fourmaintraux A, Naville M, Rodriguez D, Feingold J, Renouil M, Munnich A, Westhof E, Fähling M, Lyonnet S, Henrion-Caude A.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 Mar 27;109(13):4980-5. Epub 2012 Mar 12.

infantile neurodegenerative disease座の配列約400kbをシーケンスしたところ、primate-specific retrotransposonに塩基置換がみつかった。このretrotransposonはnoncoding RNAの一部として脳で転写されていた。このRNAを組織培養中でノックダウンすると神経細胞のアポトーシスが増加した。塩基置換によりヘアピンRNAが形成されるようになり、異常が生じるのだろう。

2012年5月19日土曜日

Federal Duck Stampの意匠

1年ほど前にFederal Duck Stampを紹介しました。久しぶりに気になって検索したところ、意匠の一覧を発見したので、リンクを貼ってみました。
The Duck Stamp Collection

次はCalifornia州のもの。
Duck Stamp Art 1971-Present

こういうのを見ていると欲しくなりますね。もちろんハンターとしてではなくコレクターとして。

2012年5月18日金曜日

Horsetail Fern

ソテツ、スギナの仲間は英語でHorsetail Fernと呼ばれます。Horsetailは馬の尾、Fernはシダの意味です。Muir Woodsで見かけたスギナはとてもごわごわとしていて、そのままブラシとして使えそうでした。

2012年5月17日木曜日

America the Beautiful Quarters

アメリカで最も一般的なコインはおそらくQuarterと呼ばれる25セント硬貨です。例えば路上駐車のメーターに使われるのは必ずQuarterですし、コインランドリーもカード式のものでなければQuarterを4枚から8枚入れる仕様になっています。我がアパートのランドリーもコイン式なので不便なことに、定期的に銀行へ行ってQuarterを引き出してくる必要があります。

Quarterの表の図柄は初代大統領ワシントンと決まっていますが、裏側にはいくつかのレパートリーがあります。発行枚数が膨大なので記念切手のような希少価値は全く出ませんが、ちょっとしたコレクションになります。1999年から2009年までは50州と属領の図柄のコインが発行されていましたので、これまでは基本の図柄の白頭ワシ(?)か、50州のコインを見ることがほとんどでした。

2010年からは企画が変わり、America the Beautiful Quartersと題して、各州の国立公園を1つずつ選んで裏面にするというプロジェクトが進んでいます。毎年5種類ずつ発行されるのですが、3年目にして初めてAmerica the Beautiful Quartersに当たりました。GlacierとGrand Canyonでした。

Wikipediaのサイトに細密な意匠が載っていたのでリンクを貼っておきます。
Glacier
Grand Canyon

2012年5月16日水曜日

Banana Slug

University of California, Santa CruzのシンボルにもなっているBanana Slug。Ariolimax属に属すナメクジ型の巻き貝3種の通称です。北アメリカ大陸で最大の陸生軟体動物です。
噂には聞いていてもカリフォルニアに来て2年ほど見ることが出来ずにいたのですが、Edgewood State Preserveで遂に実物を見ることが出来ました。一度わかると目に付くのか、それともこの時期が湿度が高く快適なのか一週間後にMuir Woodsでもたくさん出会えました。
ナメクジ型の、殻を失った巻き貝類は、ウミウシやアメフラシ、ナメクジなどたくさんの系統で独立に派生しています。とりわけ陸生のものは、殻を作るためのカルシウムの確保が大変なためか多くの種が殻を失ったナメクジ型になっています。
嫌いな人も多いと思います(実際私も触りたくはありません)ので下の方に貼っておきます。下の方がバナナっぽいかな?
































2012/04/08撮影。













2012/04/15撮影。

2012年5月14日月曜日

インフルエンザウイルス合成の危険性は?

昨年末なぜUS National Science Advisory Board for Biosecurity (NSABB) がH5N1インフルエンザウイルスを哺乳類の間で感染できるよう適応させた研究に関する2本の論文の、方法の部分の削除を要求したのかについての理由が述べられています。

なぜ、NSABBは論文の一部削除を勧告したのか
Q&A: Reasons for proposed redaction of flu paper

2012年5月13日日曜日

nMAT1の働き

植物のミトコンドリアや色素体のイントロンのスプライシングを媒介するタンパク質はMat(Maturase)と呼ばれます。これらはGroup II intronの逆転写酵素に由来しますが、逆転写の活性は失われており、Group II intronのスプライシングを補助する役割だけが残されています。更に、ミトコンドリアのMatが核ゲノムに転移したものはnMATと呼ばれ、4種類nMAT-1から4(最初の論文では、1a, 1b, 2a, 2b)が知られています。

少し前の知見は、本サイトにまとめてあります。
44. 成熟は他人任せ:RIR-3とnMat

nMAT1, a Nuclear-encoded Maturase involved in the trans-splicing of nad1 intron 1, is essential for mitochondrial complex I assembly and function
Keren I, Tal L, des Francs-Small CC, Araújo WL, Shevtsov S, Shaya F, Fernie AR, Small I, Ostersetzer-Biran O.
Plant J. 2012 Mar 16. doi: 10.1111/j.1365-313X.2012.04998.x. [Epub ahead of print]
PMID: 22429648 [PubMed - as supplied by publisher]

この論文の著者らはnMAT2がArabidopsisのミトコンドリアタンパク質のいくつかの遺伝子のスプライシングに関わっていることをしめしています。この論文では、nMAT-1がnad1のintron 1とnad2のintron 1、nad4のintron 2のスプライシングに関わっていることを示しています。このうち、nad1 intron1はtrans-splicing、後2者はcis-splicingです。

おそらくはnMATは全てオルガネラのgroup II intronのスプライシングにそれぞれ関わっているのでしょう。これもオルガネラから必須遺伝子が核へ移行する大きな流れの一部なのでしょう。

2012年5月12日土曜日

Muir Woods National Monument

サンフランシスコからゴールデンゲートブリッジを渡った対岸に小さな国立公園があります。Muir Woods National Monumentです。ここは、小さな自然公園ですが、世界で最も高い木Coast Redwood(Sequoia sempervirens)の林を見ることができ、アクセスが簡単な場所としてとても人気です。
Coast Redwoodはもともとはカリフォルニアの海岸沿いに普通に生えて林を作っていたのですが、その非常に優れた材質から伐採が進み、サンフランシスコ湾周辺ではMuir Woodsの谷だけが、そのアクセスの不便さから取り残されていました。Kent夫妻はその自然を守るためにこの谷を購入し、合衆国政府に寄付し、ルーズベルト大統領が National MonumentとしたことによりMuir Woods National Monumentが成立しました。Muir Woodsの名前はヨセミテ国立公園など国立公園システムの成立に尽力したJohn Muirにちなんでいます。

3度目の正直でようやく駐車することができ、数時間かけて廻ってきました。小さな公園でくるっと廻るとあっという間ですが、谷のRedwoodの林は圧巻でした。解説にもあったのですが、数本のRedwoodが中央の空き地を囲んで立っているのが良く見られます。これは中央にあった木の幹が雷などで死んだ後にその根から新しい幹が生長して巨木となったものです。一方Redwoodの小さな松ぼっくりから育った実生の割合は多くはないようです。


2012年5月11日金曜日

ホーミングエンドヌクレアーゼの標的認識

ホーミングエンドヌクレアーゼは自身の入っている配列の対立遺伝子座の配列を特異的に切断する活性を持っています。切断された対立遺伝子座には自身の配列を鋳型に修復をさせることでコピー数を増やします。進化の過程では標的の変異に対する耐性と、他の配列を切らない標的特異性の両者のバランスが重要になってきます。以下の論文では、どのように標的を認識しているのかを解析しています。

Comprehensive homing endonuclease target site specificity profiling reveals evolutionary constraints and enables genome engineering applications
Li H, Ulge UY, Hovde BT, Doyle LA, Monnat RJ Jr.
Nucleic Acids Res. 2012 Mar 1;40(6):2587-98. Epub 2011 Nov 25.
PMID: 22121229 [PubMed - in process] Free PMC Article

LAGLIDADG型のホーミングエンドヌクレアーゼであるI-CreIとI-MsoIについて、それぞれの標的DNAに1塩基ずつ置換を入れたものに対する結合と切断能を解析している。この2種のホーミングエンドヌクレアーゼはよく似た配列を認識するが、どの塩基を認識するかは全く異なっていた。

2012年5月10日木曜日

bracovirusの起源

少し古い論文ですが、フォローしていなかったのに最近気づいたので...

寄生蜂は膜翅目昆虫の中で最も大きなグループで、宿主となる昆虫の幼虫や卵の中に自身の卵を産みつけます。一部のものは、その際に、一緒にウイルス粒子のようなものを産みつける事が知られています。このウイルス粒子のようなものは、polydnavirusと呼ばれていますが、実際にはウイルスの複製に関わるタンパク質は持っておらず、ウイルスとは無関係のタンパク質をコードしています。幼虫の体内で発現したタンパク質は免疫を抑制して寄生蜂の幼虫が成長するのを助ける役割を持ちます。polydnavirusはbracovirusとichnovirusの2つに分類され、bracovirusはコマユバチ類(braconid wasps)が、ichnovirusはヒメバチ類(ichneumonid wasps)が持っています。これらのグループは膨大な種数を誇る、非常に繁栄している昆虫です。

さて、このウイルス様粒子の起源については、ウイルスが宿主の機構に取り込まれたものだと考えられてきましたが、粒子自体にウイルス由来の遺伝子が見つからない事からその起源はわかっていませんでした。以下の論文では、少なくともbracovirusの起源はnudivirusであり、約1億年前に寄生蜂のゲノムに取り込まれた事が示されました。nudivirusは節足動物に感染する二本鎖DNAウイルスで、同じく節足動物に感染するbaculovirusに近縁な事が知られています。

Polydnaviruses of braconid wasps derive from an ancestral nudivirus.
Bézier A, Annaheim M, Herbinière J, Wetterwald C, Gyapay G, Bernard-Samain S, Wincker P, Roditi I, Heller M, Belghazi M, Pfister-Wilhem R, Periquet G, Dupuy C, Huguet E, Volkoff AN, Lanzrein B, Drezen JM.
Science. 2009 Feb 13;323(5916):926-30.
PMID: 19213916 [PubMed - indexed for MEDLINE] Free Article

著者らはウイルス粒子が作られる時期の寄生蜂の卵巣のESTを3種の寄生蜂(Chelonus inanitus, Cotesia congregata, Hyposoter didymator)で作成し、どのようなウイルス様遺伝子が発現しているのかを調べました。5000配列ずつ調べたところ、前2者で発現している一部の遺伝子はbaculovirusやnudivirusの遺伝子と似ている事がわかりました。中には、RNA polymerase、DNA packagingやenvelopeのタンパク質をコードしているものも見つかりました。これらの遺伝子は蜂ゲノム中にコードされており、またタンパク質は確かにbracovirusの粒子に含まれていました。baculovirusとnudivirusに共通のものの他に、nudivirusだけがコードする遺伝子に近縁なものが見つかった事から、bracovirusはnudivirus由来であることもわかりました。よく保存された遺伝子はbracovirusを持つ寄生蜂全ての科でクローニングする事ができました。

少し前の知見は、本サイトにまとめてあります。
62. 自然界のウイルスベクター:polydnavirus

2012年5月9日水曜日

おねしょを防ぐ遺伝子

Nature highlightから。

膀胱に貯蔵できる尿の量を決めるタンパク質Connexin43の量は体内時計によって制御され、夜間に最も多くなるようになっているそうです。このため、夜間には尿をたくさん溜め込む事ができ、頻繁にトイレに行く必要がなくなるのだそうな。

Involvement of urinary bladder Connexin43 and the circadian clock in coordination of diurnal micturition rhythm
Negoro H, Kanematsu A, Doi M, Suadicani SO, Matsuo M, Imamura M, Okinami T, Nishikawa N, Oura T, Matsui S, Seo K, Tainaka M, Urabe S, Kiyokage E, Todo T, Okamura H, Tabata Y, Ogawa O.
Nat Commun. 2012 May 1;3:809. doi: 10.1038/ncomms1812.
PMID: 22549838 [PubMed - in process]

2012年5月8日火曜日

シーラカンス二題

生きた化石と言われるシーラカンスは肉鰭類の唯一の生き残りのグループです。このシーラカンスは3億8千万年前(デボン紀中期)の時点で既に現生のシーラカンスとほとんど変わらない形態を持っていた事がしられていましたが、遡って4億年前(デボン紀初期)から既にこの形態を持っていた事がわかりました。今回見つかったのは新種Euporosteus yunnanensis sp. nov.の頭骨です。

中国で最古のシーラカンス 4億年前から同じ姿

原著論文はこちら↓。
Earliest known coelacanth skull extends the range of anatomically modern coelacanths to the Early Devonian
Zhu M, Yu X, Lu J, Qiao T, Zhao W, Jia L.
Nat Commun. 2012 Apr 10;3:772. doi: 10.1038/ncomms1764.
PMID: 22491320 [PubMed - in process]


その一方で過去にはシーラカンスらしからぬ形態に進化したグループもいたようです。それはRebellatrix divaricercaと命名された2億5千万年前(三畳紀初期)の種で、前代ペルム紀末の大量絶滅で空いたニッチに進出するためにマグロのような遊泳能力を獲得したようです。現生のシーラカンスは待ち伏せ型の捕食をするように体ができていますが、Rebellatrixの体は長距離を追跡するようにできています。

新種シーラカンス、カナダで化石発見

原著論文はこちら↓。
A fork-tailed coelacanth, Rebellatrix divaricerca, gen. et sp. nov. (Actinistia, Rebellatricidae, fam. nov.), from the Lower Triassic of Western Canada


写真は東工大で撮影した現生シーラカンスLatimeria chalumnaeのプラスチネーション標本。

2012年5月7日月曜日

SVAの転移もL1が媒介する

複合型の転移因子SVA(SINE-VNTR-Alu)はAluとLTRレトロトランスポゾンの一部配列を含む構造を持ち、3'末端にpolyAを持つ事から、L1によって転移を媒介されると考えられてきましたが、証明はまだされていませんでした。この論文では、SVAが実際にL1のタンパク質の補助があって初めて転移すること、転移効率はprocessed pseudogeneに比べて12倍から300倍ほどと高く、L1のタンパク質が転移させやすい構造を持っている事が示されました。

The non-autonomous retrotransposon SVA is trans-mobilized by the human LINE-1 protein machinery
Raiz J, Damert A, Chira S, Held U, Klawitter S, Hamdorf M, Löwer J, Strätling WH, Löwer R, Schumann GG.
Nucleic Acids Res. 2012 Feb 1;40(4):1666-83. Epub 2011 Nov 3.
PMID: 22053090 [PubMed - in process] Free PMC Article

2012年5月6日日曜日

REPtron

今回紹介する論文は、IS Finderという原核生物の転移因子データベースを開発しているグループの論文です。IS FinderにはInsertion Sequence (IS)の主なグループの特徴が記載されているため、私もたびたびお世話になっています。

REPは原核生物に見られる20から40塩基程度の長さの反復配列で、通常複数が集まってBIME(bacterial interspersed mosaic element)と呼ばれる構造を取っています。このREP/BIMEの近傍にY1 transposaseの1種のTnpA-REPがコードされていることが最近明らかになり、このtransposaseがREP/BIMEの増殖を触媒していると考えられています。そこで、BIMEとTnpA-REPを含む領域をREPtronと呼ぶ事が提唱されています。TnpA-REPはIS200/IS605 familyの持つY1 transposaseと明らかに近縁です。REPは不完全なヘアピン(塩基対形成できない部分がある)を作りますが、IS200/IS605は不完全なヘアピンを両末端付近に持っています。

Structuring the bacterial genome: Y1-transposases associated with REP-BIME sequences
Ton-Hoang B, Siguier P, Quentin Y, Onillon S, Marty B, Fichant G, Chandler M.
Nucleic Acids Res. 2012 Apr 1;40(8):3596-609. Epub 2011 Dec 22.
PMID: 22199259 [PubMed - in process] Free PMC Article

この論文では、まず大腸菌と赤痢菌の多数の株でREP/BIMEを探索し、ほとんどのものがゲノム上の同じ位置にREP/BIMEとTnpA-REPをコードしていることを明らかにし、その後、TnpA-REPの生化学的な解析を行っています。大腸菌と赤痢菌ではREP/BIMEの数に増減はあるものの全て同じ位置に集まっていることから、共通祖先でREP/BIMEとTnpA-REPを獲得した後は、転移因子のように転移したりはしていないことがわかりました。生化学的な解析では、TnpA-REPがIS200/IS605のY1 transposaseと同様の特徴(一本鎖DNA結合、MgまたはMn依存的なDNA切断活性等)を持ちながら、独自の性質も持っている事を明らかにしています。例えば、IS200/IS605のY1 transposaseがIS200/IS605の片方のDNA鎖しか切断しないのに対して、TnpA-REPは両方の鎖を一本ずつ切断します。また、IS200/IS605のY1 transposaseが結合したヘアピンから常に一定の距離でDNAを切断するのに対して、TnpA-REPは頻度は低いながらも遠い位置でもDNAを切断します。
ヘアピンでは、対合しない塩基の存在が重要で、それを対合するように変えるとTnpA-REPは結合できません。また末端に保存されたGTAGも必須です。切断は必ずCTの間で起こり、周辺の塩基も切断活性にある程度影響します。また切断したDNA同士をつなぎ変える活性も確認できました。

以上から、TnpA-REPはREP/BIMEに結合して周辺でDNAを切断、組換えることによってREP/BIMEの数の増減に寄与していることが確実になりました。著者らはREPtronは転移因子ではなく、transposon domesticationの例だと考えています。自身が増殖する事無く、他の配列の増減に寄与するというと、レトロエレメントのretronなども該当します。REPtronもretronも自身の増殖には寄与しないので転移因子とは呼べませんが、利己的遺伝因子の1種ではないかと私は思います。

2012年5月4日金曜日

Wild Turkey

シチメンチョウは学名Meleagris gallopavo。キジの仲間で北米原産です。カリフォルニアにも野生のシチメンチョウが生息しており、Wild Turkeyと呼ばれています。Turkeyはトルコを意味する英語ですが、これはシチメンチョウとホロホロチョウ(Numida meleagris)との混同によるものです。ホロホロチョウはアフリカ大陸の鳥で、同様にキジの仲間で食用にされます。ホロホロチョウの種小名及びシチメンチョウの属名はホロホロチョウを意味するギリシャ語で、ギリシャ神話の英雄メレアグロスに由来します。

その野生のシチメンチョウにCoyote Lake State Parkで出会いました。
2012/04/14撮影。

2012年5月3日木曜日

California Poppy

Coyote Lake State Parkで見たCalifornia Poppyの写真を追加。

California Poppyは北はワシントン州から南はメキシコのカリフォルニア半島まで分布しています。荒れ地に咲く植物で、春に黄色から赤色、主に朱色の花を咲かせます。貧栄養の土地に咲くことから、道路脇などにも良く植えられていることからごく普通に見られる花です。

2012/04/14撮影。

2012年5月2日水曜日

Coyote Lake State Park

ギルロイにあるCoyote Lake State Parkに行ってきました。正式名称は、Coyote Lake State Harvey Bear Ranch County Park。Highway 101からGilroy Outlet Mallへの出口で出て、しばらく東に車で山を上っていくと到着です。途中は畑と牧場風景で、牛馬が草をはんでいたり、休んでいたりしている間を抜けていきます。Parkの入場料は6ドル。

カリフォルニアポピーの群落を見るのが今回の目的です。Parkは名前の通りCoyote Lakeを含む自然公園でキャンプ場がメインのアトラクションのようでした。が、我々はそれを横目にLakeの端のダムまで車で移動し、そこからTrailを通って高台へ。前日までの雨でところどころTrailがぬかるんでいましたが、1時間ほどでポピーの群落に到着。

カリフォルニアポピーは学名をEschscholzia californica。別名をゴールデンポピーと言うカリフォルニア州の州の花です。和名はハナビシソウ(花菱草)。荒れた土地に咲く花で、日の当たる岩場に群生していました。園芸植物としては庭によく植えられている花ですが、野生で、他の花と一緒に咲いている様子はやはり一見の価値あり。往復で実際には4マイルも歩いていないと思いますが、途中でWild Turkey (Meleagris gallopavo)やBlack-tailed Deer (Odocoileus hemionus columbianus)にも会えた楽しいハイキングでした。

2012年5月1日火曜日

恐竜の繁栄と衰退

一部の恐竜は6500万年前の大絶滅以前に衰退を始めていたそうです。その一部とは、ケラトプス類とハドロサウルス類で白亜紀の後期に種の多様性が低下していました。調べられた他のグループ(肉食恐竜や他の草食恐竜など)にはそのような傾向は見られなかったことから、恐竜全てについて一律の方向性を当てはめるのは間違っているという結論に達しています。
当たり前のように思えるのですが、体系的に調べられてことがなかったのでしょうね。

<草食恐竜>一部は多様性失い絶滅前に衰退 米研究チーム

Dinosaur morphological diversity and the end-Cretaceous extinction
Stephen L. Brusatte, Richard J. Butler, Albert Prieto-Márquez, Mark A. Norell
Date01 May ReferenceNat. Commun. 3 : 804 doi: 10.1038/ncomms1815 (2012)

着ぐるみパンダ

中国でパンダを野生に返すトレーニング

野生の生き物を飼育して野生に返すというのは簡単ではないんですね。でも実際どのくらい効果があるのでしょう?