2011年3月31日木曜日

Member Night at Monterey Bay Aquarium

半年以上前に最初にモントレー水族館に行った際に、会員になっていたのですが、半年以上経過してようやく二度目に行ってきました。Member Nightという会員限定の夜間(7時-9時)特別開館なので、すいているだろうと思って行ったのですが...大混雑でした。

単なる時間外営業ではなく、会員向けにいくつか特別イベントをやっていました。コーヒーとお菓子のサービス、展示の舞台裏公開(Behind-the-Scenes Tour)、ラッコへの餌やり、などなど。一方、通常の営業時間外ということで、ペンギンやフラミンゴは非公開だったりと必ずしも通常の営業時間の代わりになるものでもないこともあったり。常連の人たちは事前に計画済みで、開館と同時にお目当てのものに向かっていたようで、我々夫婦は完全に出遅れました。クラゲの展示のバックステージを大行列に並んで見て、前回見忘れたクラゲとタツノオトシゴの展示を見たら、夕食の都合でもう帰る時間に...とほほ。まあ、会員なので何度でも来ればよいのです。

2011年3月30日水曜日

性転換機構の転換:HO、α3

ホームページを更新しました。

今回の記事は、酵母の一種Kluyveromyces lactisの性転換機構についてです。本当はSaccharomyces cerevisiaeの機構を背景として一緒に紹介したかったのですが、論文が手に入らなかったので単独でアップしました。ホーミングエンドヌクレアーゼとMuDR型DNAトランスポゾン由来転移酵素の並行進化と言える内容です。

2011年3月29日火曜日

野鶏

シリコンバレーから高速道路(101)で1時間ほど南へ走ったところにSan Juan Bautistaという町があります。小さな町ですが、Mission San Juan Bautistaという宣教師の建てた布教所を中心に出来た古い町です。(アメリカでは1797年に建てられたこのMissionは「とても古い」と言えます)あいにくの雨でしたが、落ち着いた良い町で、また天気が良いときに来たいと思えるところです。

下の写真は、そのMissionの庭で見つけた鶏です。昼食を食べたレストランの人の話では、野生、つまり野鶏、だそうです。

2011年3月28日月曜日

宮道和成氏のセミナー

3月25日にStanford Universityの宮道和成氏のセミナー(第61回 LSJ セミナー)を聞いてきました。私はStanfordの関係者ではないけれど、許可は得ているので堂々と参加してきました。講演内容は未発表データだったりするとまずいので出しませんが、ホットな嗅覚研究の一端を垣間見た気がします。競争の激しい分野なので、新しいテクニックを開発、確保することが研究の優位性につながるのでしょう。

Cortical representations of olfactory input by trans-synaptic tracing.
Miyamichi K, Amat F, Moussavi F, Wang C, Wickersham I, Wall NR, Taniguchi H, Tasic B, Huang ZJ, He Z, Callaway EM, Horowitz MA, Luo L.
Nature. 2010 Dec 22. [Epub ahead of print]

iRobot

生物学とは離れますが...科学の進歩が人類に役立つことを示す例として取り上げます。
iRobotの開発したロボットが福島第一原発に投入されるそうです。iRobotにはうちもお世話になっています。

米国から「ロボット消防士」 福島第一原発に投入へ

2011年3月26日土曜日

隣の街路樹

隣の家の前にある街路樹が今が満開。家の前のタイワンイヌナシと良く似ていますが、違うようです。タイワンイヌナシはもう花が散ってしまっているので時期的にも違います。
ネットで調べてこれかな?と思うのがCallery Pear。学名Pyrus calleryana。和名はマメナシ。アメリカでは街路樹としてこちらも一般的らしいので多分。

2011年3月25日金曜日

Alu RNAと網膜変性

気になった論文のチェックです。

DICER1 deficit induces Alu RNA toxicity in age-related macular degeneration
Kaneko H, Dridi S, Tarallo V, Gelfand BD, Fowler BJ, Cho WG, Kleinman ME, Ponicsan SL, Hauswirth WW, Chiodo VA, Karikó K, Yoo JW, Lee DK, Hadziahmetovic M, Song Y, Misra S, Chaudhuri G, Buaas FW, Braun RE, Hinton DR, Zhang Q, Grossniklaus HE, Provis JM, Madigan MC, Milam AH, Justice NL, Albuquerque RJ, Blandford AD, Bogdanovich S, Hirano Y, Witta J, Fuchs E, Littman DR, Ambati BK, Rudin CM, Chong MM, Provost P, Kugel JF, Goodrich JA, Dunaief JL, Baffi JZ, Ambati J.
Nature. 2011 Feb 6. [Epub ahead of print]

Geographic atrophy(GA)は加齢に伴う網膜の変性疾患です。この研究では、GAの網膜ではmicroRNA合成に働くDicer1が減少していることがわかり、Dicer1を実験的に抑制するとヒトデはAlu、マウスではB1、B2というSINEのRNAの量が増加し、細胞毒性を示します。これが網膜の細胞を破壊し、失明につながるGAの原因であると考えられます。これはAluやB1などのSINEのRNAが毒として病気に関わることを示した初めての報告です。

2011年3月24日木曜日

Miracle Planet EPISODE 2 Snowball Earth

前回のEPISODE 1に引き続き、EPISODE 2の感想です。2は、放映当時話題になった全球凍結を通じてカンブリア爆発の直前までを描いています。そういえば放映当時全球凍結の話題は知っていたのですが、見ていません。

全球凍結と酸素濃度の変化の関係、動物の誕生、等々興味深い内容でした。ストーリーが首尾一貫して組み立てられているので、説得力を感じてしまいました。メタン細菌によるメタンの増加→温室効果ガス効果による地球温暖化、藍藻による酸素の放出→メタンの酸化→室効果ガス減少→地球寒冷化(全球凍結)、火山の噴火→二酸化炭素の増加→地球温暖化→巨大ハリケーンの発生、浅瀬での大量の藍藻による酸素の大気中への放出→酸素濃度の上昇、などの流れが非常にすっきりしていて違和感なく入ってきます。が、これは鵜呑みにするのは危険でしょう。

個人的には6億年前の全球凍結を動物がどうやって耐え抜いたかに興味があります。過去の分子時計の研究のように10億年以上前に動物が誕生していたとするならば、たくさんの系統がこの危機を乗り切ったはずですが...個人的には昔の外挿による分子年代推定にはかなり問題があると思います。が、化石記録も不十分なのでもう少し研究が進む必要がありますね。

61st LSJ Seminar

Stanford Universityで明日開催のセミナーのリンク。

Life Science in Japanese/ Research@Stanford

2011年3月22日火曜日

Going Native Garden Tour

カリフォルニアでは地元の植物を生かした庭造りが盛んで、あちこちで講演やセミナーがされています。今年も4月17日にGoing Native Garden Tourと称して個人宅の庭を見て回れるイベントが開催されます。うちはアパート住まいなので庭造りとは無縁ですが、他人の庭を見て回るのは楽しいもので、昨年行ってきました。

Going Native Garden Tour 2011

個人宅が多いので登録した人だけに地図と庭の情報が送られてくる仕組みになっています。

アメリカでの寄付金

このブログの趣旨からはずれますが、先日スタンフォード大学日本人会の募金活動について紹介したので、その関連ということで。

アメリカで寄付をするのに有用な情報を見つけたのでリンクしておきます。税金の控除の使い方は目から鱗でした。発想の転換というか...(私が無知なだけ?)
On Off and Beyond: アメリカ納税者はアメリカのNPOを一つ選んで寄付しよう

実際私は寄付をしようと思ったとき、どこに寄付すればよいか迷いました。普段からそれぞれの団体がどのような活動をしているのかを把握しておくことは重要ですし、寄付してそれで終わりではなく、そのお金がどのように使われているのかをフォローすることはもっと重要なことです。

2011年3月21日月曜日

リンゴ

アパートにあるリンゴの花が咲いています。去年小さなリンゴの実がなっていたので間違いないはず。学名はMalus pumilaあるいはMalus x domestica。昨年リンゴの反復配列の登録をRepBaseにしました。

2011/03/17撮影。

2011年3月20日日曜日

テクノロジーの力

連日、東北大震災の報道を聞いていて実感したことを、その思いが強いうちに書いておきます。

次のリンクはシリコンバレーの日本語ニュースサイトの記事です。
ニッポンは大丈夫だ

つい先日のアラブ諸国の民主化運動ではTwitterの力をまざまざと見せつけられました。震災でも被災者が地震直後にツイートした記事が地震のすさまじさをリアルタイムに伝えています。もちろん最大の驚異、そして脅威は大自然の力です。それと同時に感銘を受けたのは、Googleなどにより新しいサービスが数日の内に実用化され投入されていく速度でした。携帯電話で被災者名簿の写真を撮り、ネットで共有するなど、おそらく誰もが気づくような簡単なアイデアなのでしょうが、それが実用化され、苦しんでいる人を救う、というところにテクノロジーの力を見せつけられた気がします。

その一方で、科学リテラシーの欠如、科学教育の重要性も思い知らされました。福島第一原発の事故に端を発した風評で、アメリカでもヨウ素剤が売り切れたという話です。冷静に考えれば日本の事故で遠く離れたアメリカで体に害がでるレベルの放射能が来るはずがないとわかると思うのですが、目に見えない恐怖が人の理性を狂わせているようです。

私のような基礎科学者は残念ながら技術を使って、その場で苦しんでいる人を救うことはできません。せめて正しい知識を、信頼できる情報源として公開することができれば少しでも救いになるでしょう。このブログもそのような形で世界に貢献できるように少しずつ努力していければと思っています。

テクノロジーの進歩を考慮に入れれば、1971年に営業開始した福島第1原子力発電所に技術的な問題点が残っているのはやむを得ないことです。周囲の人々には大変な恐怖があると思います。しかし、日本の電力の三分の一を原子力が担っていることを考えれば、今すぐ原子力発電を停止するというのは非現実的な選択肢です。実際関東の計画停電が与えている影響は甚大です。より進んだ技術を使って原子力をより安全な方向に発展させていくことこそ今後の日本の方向性だと思います。

2011年3月19日土曜日

全国の放射線モニタリング状況

放射線の測定結果が文部科学省のトップページで公表されています。
文部科学省

放射線の人体影響に関する質問窓口

日本放射線影響学会の有志グループが放射線の影響に関するQ&Aを開設したとのことでリンクを貼っておきます。

福島原子力発電所の事故に伴う放射線の人体影響に関する質問窓口 (Q&A)開設について

アクアマリンふくしま

いわきのアクアマリンふくしまの魚たちが死んでしまうようです。
東日本大震災:電源の燃料尽き魚類など絶望 福島の水族館
被災のセイウチ「ホッ」 千葉・鴨川シーワールドに避難

やはり人命優先なので仕方ないですね。

2011年3月18日金曜日

Miracle Planet EPISODE 1 The Violent Past

先日図書館から借りてきた「Miracle Planet EPISODE 1 The Violent Past」を見ました。借りたときには知らなかったのですが、NHKとNational Film Board of Canadaの共同制作ということで、日本の研究も紹介されていました。また、ご近所のNASA Ames Research CenterやStanford Universityの研究が紹介されているのも親しみを感じます。日本では「地球大進化〜46億年・人類への旅」という題名で2004年に放送されていたそうです。

さて、内容ですが、火星で生命が生まれたという仮説や、ペルム紀に干上がった海の生き残りのバクテリア、地下数キロに住むバクテリア、等等、興味深い話題が満載でかなり楽しめました。ただ、直径500キロの隕石の衝突シミュレーションは、大自然の驚異をまざまざと見せつけられた直後なだけにかなり恐ろしい映像に見えました。

話中で紹介されたアリゾナの巨大クレーター
Barringer Craterの衛星写真。

アフィリエイトではないけれど以下にアマゾンへのリンクを貼っておきます。
Amazon.com Miracle Planet (DVD Box Set) (2006)

2011年3月17日木曜日

化石メガネザル

メガネザルの新種化石、タイ炭鉱で発見

メガネザル類は東南アジアに生息する猿の仲間です。メガネザルは、真猿類の2つの分岐の一方の唯一の生き残りのグループで、ヒトの進化を知る上でも貴重です。もう一つの真猿類の分岐群は、旧世界猿、新世界猿、類人猿、そして人を含むグループです。この論文ではタイで発見された新種のメガネザルの化石を報告しています。
化石の年代は論文には第三紀中期と書かれているので、上記記事の「約1300年前に生息していた」は「約1300万年前に生息していた」の誤りと思われます。
新種の学名はTarsius sirindhornae。ゲノム解読進行中のフィリピンメガネザルは、学名Tarsius syrichtaで同属ということになります。が、現生のメガネザルは全てTarsius属に分類されているので、そんなに近縁なわけでもないかもしれません。

原著論文はこちら↓。
A new Middle Miocene tarsier from Thailand and the reconstruction of its orbital morphology using a geometric-morphometric method.
Chaimanee Y, Lebrun R, Yamee C, Jaeger JJ.
Proc Biol Sci. 2010 Dec 1. [Epub ahead of print]

2011年3月16日水曜日

エスカルゴ

春になってカタツムリが出てくるようになりました。ここシリコンバレーでよく見るカタツムリは2種類。そのうちの一つが、英名Brown garden snail、学名はCornu aspersum。以前はHelix aspersaと言ったそうです。原産は地中海沿岸地方から西ヨーロッパ、イギリスにかけて。カリフォルニアには1850年代に食用として移入され、現在は主要な有害動物です。

放射線の解説記事(Newton)

科学情報誌Newtonが放射線の記事を無料公開しているということでリンクを貼っておきます。
【放射線】どんな種類がある?人体への影響は?(HTML)
【放射線】どんな種類がある?人体への影響は?(PDF)

前回のヨウ素の話もそうですが、とかく放射線についてはイメージ先行で誤った知識が広まりやすいので、正しい知識を基に判断することが必要です。

2011年3月15日火曜日

Federal Duck Stamp

以前鳥の観察会に出かけたDon Edwards S. F. Bay National Wildlife Refugeはアメリカ合衆国のNational Wildlife Refuge Systemの一部として自然保護のために国が買い上げた土地の集まりです。実際San Francisco湾に散らばって分布しています。
その買い上げの資金は、矛盾するようですが、狩猟のライセンス代として徴収されています。Federal Duck Stamp(郵便切手ではない)という狩猟許可料金支払いシステムがあり、狩猟をするためにはこれを購入して一回ごとに使用することになっています。一枚15ドルで、そのうち経費を除いて14.7ドルがNational Wildlife Refuge Systemに使用されるそうです。かなり効率の良いシステムです。

Federal Duck Stampの絵柄は、毎年開催されるコンテストで選ばれます。毎年違うカモ類が意匠として選ばれ、その意匠で画家が競い、一番になった作品が使われます。
去年2010年のコンテストの結果は以下↓2011年のStampの意匠になります。
James Hautman Wins 2010 Federal Duck Stamp Contest

もちろん郵便切手と同様にコレクションアイテムにもなっており、コレクターも世界中に多数いるそうです。また、多分自然保護に関心のある人たちも購入していることでしょう。

似たシステムを各州も採っていて州の発行するDuck Stampもあります。また、一部の自然保護団体も独自に資金源として発行しています。

2011年3月14日月曜日

ヨウ素

気になったので。

ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません−インターネット等に流れている根拠のない情報に注意−(PDF)放射線医学総合研究所

「ヨウ素剤の代わりにうがい薬」根拠ない情報

ちょっと補足。
甲状腺ホルモン(チロキシン)にはヨウ素が含まれます。そのため甲状腺ホルモンを作る甲状腺にはヨウ素の放射性同位体131I(非放射性の同位体は127I)が蓄積しやすく、131Iを排除するためには大量の127Iを摂取する必要があります。

桜開花情報

シリコンバレーでも桜が咲き始めました。
まだ「ちらほら」ですが、今度は正真正銘日本の桜です。
解説を見ると英語ではFlowering Cherry、学名はPrunus subhirtella。つまり彼岸桜だそうです。日本原産。1894年に移入。
これは3月12日の写真。


2011年3月13日日曜日

アーモンド再び

震災のあまりの惨事に身が震えています。でもこちらでできることは限られているので、せめて明るい記事を書いていきたいと思います。

先日見たアーモンドの花がかなり開いてきました。でもウメにも見えて。果樹園なので混ぜて植えられてるかもとか思ってしまうと不安になります。こうなったら実がなるまで追跡取材したいと思います。

写真は2011年3月5日撮影。

2011年3月12日土曜日

スタンフォード日本人会 東北大地震募金

スタンフォード大学の日本人会で今回の大震災への募金活動をおこなっているとのことですので、ここでリンクを掲載します。
Stanford Japanese Association

環形動物の系統解析

環形動物の系統解析を詳細におこなった研究がNatureに出ていました。
Phylogenomic analyses unravel annelid evolution
Struck TH, Paul C, Hill N, Hartmann S, Hösel C, Kube M, Lieb B, Meyer A, Tiedemann R, Purschke G, Bleidorn C.
Nature. 2011 Mar 3;471(7336):95-8.

ミミズ、ゴカイ、ヒルの仲間、環形動物門は古典的に2つのグループに分けられてきました。多毛類(ゴカイ)と貧毛類(ミミズ、ヒル)です。しかし最近では以前別の門として分けられてきたホシムシ類(Sipuncula、星口動物門)、ユムシ類(Echiura、ユムシ動物門)、ハオリムシ類(Pogonophora、有鬚動物門)も環形動物の内群であるとの説が有力です。また、多毛類が側系統でその一部から貧毛類が派生したと考えられています。

この研究では、34の分類群、47,953アミノ酸を用いて分子系統解析をおこなっています。外部寄生性のMyzostomidaの位置は長鎖誘因のため不明ですが、chaetopterids、ホシムシ類の2グループが初期に分かれ、残りの系統は大きく2つのグループ、Errantia (モデル生物のPlatynereisを含む), and Sedentaria(貧毛類を全て含む、モデル生物にCapitella, Helobdella, Hydroides)に分けられました。

この2大系統、ErrantiaとSedentariaは別々の方向に適応しています。Errantiaはより活発な運動が可能なように、感覚と運動面の機能が強化されています。一方でSedentariaはより固着型で付属肢が退化し、剛毛が体壁に近い位置に移動して、棲管や土中で生活しやすいようになっています。

逆に系統の基部に位置する生物から、環形動物の祖先型を想像すると、一対の前方付属肢(触手)と目があり、頭部には他の付属肢は無く、体部には、単純な形の剛毛と体内に納められた剛毛があり、複雑な形の剛毛や付属肢は無い。これらの特徴はカンブリア紀の化石からわかる環形動物の祖先と一致しているそうです。

2011年3月11日金曜日

東北地方太平洋沖大地震

大地震で亡くなられた方に心からお悔やみ申し上げます。
一人でも多くの方が津波から逃れられたことを願っています。

ドングリキツツキ

Stanford Universityには背の高い椰子の木がたくさん植えられています。この椰子の木の樹肌はでこぼこになってしまっています。というのも、Acorn woodpeckerという英名(学名Melanerpes formicivorus)のキツツキが穴を開けてドングリ(英語でacorn)をせっせと埋めてしまうからです。

その証拠写真を撮ってきました。
上の写真は穴だらけの椰子の木。犯人が舞い戻ってきています。
下の写真は大きな穴(巣穴)に入って顔を出しているキツツキ。




2011年3月10日木曜日

イントロンとホーミングエンドヌクレアーゼはどう出会った?

ホームページを更新しました。今回は、homing endonucleaseとself-splicing intronの出会いを紹介しています。
homing endonucleaseはself-splicing intronの中にコードされていることが多いですが、進化的にずっとこの形で維持されてきたわけではないこともわかっていました。今回紹介した2本の論文では、どのようにしてこの2つの利己的遺伝因子が一緒になるのかのヒントになる発見を報告しています。

2011年3月9日水曜日

桜の分類

<サクラ>DNAで「系譜」分類 「枝垂桜」は複数品種交配

森林総合研究所のプレスリリース↓
国内初!遺伝子情報を利用したサクラ栽培品種の網羅的識別技術を開発
-染井吉野など伝統的栽培品種の実態を明らかに-


海外に出ると、この時期には日本の桜が恋しくなります。ここシリコンバレーにもたくさんの「桜」のような花が咲いているのですが、知らない種が多いだけに区別が難しい。たまに日本の桜が植わっていたりするとうれしくなります。日本の桜というとソメイヨシノが代表的ですが、それ以外にもたくさんの品種があります。

さて、今回の記事と研究内容についてのコメント3点。
国内初!って?海外では桜の品種識別がされているのでしょうか?わざわざ書いてあるのだからそうなのでしょうね。

毎日新聞の記事では、「江戸」「糸括(いとくくり)」「大手毬(おおてまり)」「八重紅虎(やえべにとら)の尾(お)」は花びらの枚数や色の濃淡に違いがあると書かれていますが、森林総合研究所のリリースでは形態に違いが見られないとあります。

枝垂桜とか八重桜とか、品種だと思っている人がいるのでしょうか?形態の分類で付いているだけの通称だとこれまで思ってました...

2011年3月8日火曜日

B1 SINEと転写因子

Dioxin receptor and SLUG transcription factors regulate the insulator activity of B1 SINE retrotransposons via an RNA polymerase switch.

Román AC, González-Rico FJ, Moltó E, Hernando H, Neto A, Vicente-Garcia C, Ballestar E, Gómez-Skarmeta JL, Vavrova-Anderson J, White RJ, Montoliu L, Fernández-Salguero PM.
Genome Res. 2011 Feb 3. [Epub ahead of print]

マウスのSINE、B1がインシュレーター活性を持っていることを報告。インシュレーター活性はダイオキシン受容体とSLUGが結合することにより担われ、ヘテロクロマチンのマーカーも周辺に集中していることが確認された。

聞いたことのあるような話だと思ったら、別のSINE、B2で似た報告がされていますね。↓
Developmentally regulated activation of a SINE B2 repeat as a domain boundary in organogenesis.
Lunyak VV, Prefontaine GG, Núñez E, Cramer T, Ju BG, Ohgi KA, Hutt K, Roy R,
García-Díaz A, Zhu X, Yung Y, Montoliu L, Glass CK, Rosenfeld MG.
Science. 2007 Jul 13;317(5835):248-51. PubMed PMID: 17626886.

あとこの論文でB1にSlugとダイオキシン受容体が結合することが報告されていますね。↓
Genome-wide B1 retrotransposon binds the transcription factors dioxin receptor and Slug and regulates gene expression in vivo.
Roman AC, Benitez DA, Carvajal-Gonzalez JM, Fernandez-Salguero PM.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2008 Feb 5;105(5):1632-7. Epub 2008 Jan 25. PubMed PMID: 18223155; PubMed Central PMCID:PMC2234196.

2011年3月7日月曜日

コウノトリはヒトの赤ん坊を運ぶか?(自分の巣に)

たまにお世話になっている英語ニュースを一本紹介。
かなりコメディー仕立てになっています(笑)。

NPR News
内容は小さな人類が住んでいたフローレス島で巨大なコウノトリの化石が見つかったというもの。フローレス島の人類が現代人と別種かどうかはいまだ議論が続いていますが、成人で体高90センチくらいとされています。一方のコウノトリは肉食で体高1.8メートル。ただし飛べません。

ちなみに赤ん坊を運ぶコウノトリはシュバシコウCiconia ciconia、体高100-115センチ。

2011年3月6日日曜日

家の前の木

我が家(アパート)の前に桜のような木があり、春には花が咲きます。一年間Cherry plumだと思っていたのですが、先日園芸店に行って似たような木を見つけ、タイワンイヌナシであることが判明しました。学名はPyrus kawakamii、英名はEvergreen pear。観賞用の樹木として西洋では普及しており、小さな実は食用にはなりません。

2011年3月5日土曜日

tRNA intronの転移

tRNAはmRNAとは全く異なるintronを持ち、全く異なる機構でsplicingされます。そのintronは機構はわかりませんが、転移因子のように別のtRNAに転移増殖することがあるそうです。実際にどうやって転移するのかとても興味深いです。

研究ハイライト

Large-scale tRNA intron transposition in the archaeal order Thermoproteales represents a novel mechanism of intron gain.
Fujishima K, Sugahara J, Tomita M, Kanai A.
Mol Biol Evol. 2010 Oct;27(10):2233-43. Epub 2010 Apr 29.

内容紹介は研究ハイライトに譲ります(笑)。
関連論文のいくつかは以前ホームページでも紹介しました。
「63. バルジ大作戦:tRNA splicing」
「67. ナノ古細菌のtRNAは不思議がいっぱいナノだ」

2011年3月4日金曜日

SMBE 2011

Molecular Biology and Evolutionを発行しているthe Society for Molecular Biology and Evolution(SMBE)の年会が今年は京都で開催されます。

SMBE 2011 Annual Meeting

日時は7月26日(火)から30日(土)。
会場は京都大学およびみやこめっせです。メイン会場は京都大学百周年時計台記念館。30日正午に終了後日本進化学会大会が同じ場所で開催されます。

2011年3月3日木曜日

Stanford Darwin Day Symposium

Stanford Darwin Day Symposium

スタンフォード大学で毎年開催されているというDarwin Day Symposiumをちょっとだけ覗いてきました。ほんとに覗いてきただけなので内容は書けません(笑)。今年は2月27日に開催されました。
その中で流された音楽がこちら↓。
The Sound of Science
名曲ですね。
歌詞を見つけたのでこちらもリンクを貼ります。
The Sound of Science (With lyrics) | dreamfoundry

もう一曲紹介されていたのですが、聞きそびれました。でも多分こちら↓。
Darwin’s Revolution – Evolution Song

ちなみにチャールズダーウィンの誕生日は1809年2月12日で、Darwin Dayとは「2月12日かその周辺で科学と人間性をお祝いする国際的な記念日」(International Darwin Day Foundationのホームページの解説を訳)だそうです。

Dobzhanskyの「Nothing in Biology Makes Sense Except in the Light of Evolution(生物学のどんな現象も、進化を考えに入れない限り意味を持たない)」はまさに格言。その意味でもDarwinとKimuraの遺した物はとても大きいと思います。

Repbase Reports Volume 11, Issue 2

Repbase Reports Volume 11, Issue 2 が公開されました。

この号は主に哺乳類のendogenous retrovirusを報告しています。私の関わったものはイエネコ(Felis catusあるいはFelis silvestris catus)のendogenous retrovirusとネッタイシマカ(Aedes aegypti)の転移因子についてのものです。

2011年3月2日水曜日

無腸類と珍渦虫は近縁?

以前は扁形動物に含められていた無腸類ですが、最新の研究で珍渦虫と近縁で、棘皮/半索の姉妹群になるという結果が出ました。
Acoelomorph flatworms are deuterostomes related to Xenoturbella
Philippe H, Brinkmann H, Copley RR, Moroz LL, Nakano H, Poustka AJ, Wallberg A, Peterson KJ, Telford MJ.
Nature. 2011 Feb 10;470(7333):255-8.

Natureハイライトも参照↓
Highlights: 系統分類:無腸類は単純な生き方を選んだ

今回の主役は無腸類と呼ばれる単純な形態の動物です。無腸類はその名の通り腸を持たず、形態的に刺胞動物と三胚葉動物の中間に見えることから、進化的にも中間に位置する生物と考えられてきました。かつての分子系統解析でも三胚葉動物の最も初期の分岐とされてきました。しかし、分子系統解析で最近、珍渦虫と一緒に初期分岐を形成するという論文が出ました。

ところが、珍渦虫は扁形動物の渦虫に似た単純な形態を持つ動物ですが、棘皮動物(ウニ、ヒトデ、ウミユリ、ナマコ、クモヒトデの仲間)と半索動物(ギボシムシ、フサカツギの仲間)が構成するグループAmbulacrariaの姉妹群に当たるとBourlatらにより報告されています。

Xenoturbella is a deuterostome that eats molluscs.
Bourlat SJ, Nielsen C, Lockyer AE, Littlewood DT, Telford MJ.
Nature. 2003 Aug 21;424(6951):925-8.

Deuterostome phylogeny reveals monophyletic chordates and the new phylum Xenoturbellida.
Bourlat SJ, Juliusdottir T, Lowe CJ, Freeman R, Aronowicz J, Kirschner M, Lander ES, Thorndyke M, Nakano H, Kohn AB, Heyland A, Moroz LL, Copley RR, Telford MJ.
Nature. 2006 Nov 2;444(7115):85-8. Epub 2006 Oct 18.

もともと珍渦虫と無腸類とはボディープランや繊毛の構造が似ていることが指摘されていました。また、珍渦虫と半索動物・棘皮動物とも上皮や神経で類似性が指摘されていました。

この論文では、まず、前述の珍渦虫と無腸類が三胚葉動物の初期分岐となるという論文で使われた配列を解析し直し、以前の結果はモデル選択の誤りや長鎖誘因によるアーティファクトであると主張しています。また、ミトコンドリアゲノムのデータ、micro RNAのデータから、無腸類と珍渦虫のグループが半索動物・棘皮動物の姉妹群となる後口動物である可能性が最も高いとしています。

残念ながら決定的な系統関係が示されているわけではなく、3つの異なる結果がそれぞれ弱いながら同一の系統関係を示唆しているという結果でした。より確実な証拠を求めて今後も解析が進むことと思われます。

2011年3月1日火曜日

気の長い

実験もあるものですね。純粋に感心しました。
1300世代暗黒に保たれたショウジョウバエの活動リズム—京都大学

24時間リズム、50年以上維持=ハエ、暗闇で1300世代—京大

Trichinella spiralisゲノム

旋毛虫症の原因となる寄生性の線虫Trichinella spiralisのゲノム配列が報告されました。
The draft genome of the parasitic nematode Trichinella spiralis.
Mitreva M, Jasmer DP, Zarlenga DS, Wang Z, Abubucker S, Martin J, Taylor CM, Yin Y, Fulton L, Minx P, Yang SP, Warren WC, Fulton RS, Bhonagiri V, Zhang X, Hallsworth-Pepin K, Clifton SW, McCarter JP, Appleton J, Mardis ER, Wilson RK.
Nat Genet. 2011 Mar;43(3):228-35. Epub 2011 Feb 20.

線虫ではCaernorhabdtis elegans他数種のゲノムが既に報告されていますが、T. spiralisは病原体であり、また、線虫類の内で初期に分岐したグループなので、ゲノム比較に有用なのだそうです。