2011年6月30日木曜日

大学の国際化

<東大>入学時期を春から秋に 国際化推進で検討開始
今のところ、入試は2月から3月。入学だけ9月になる方向性のようです。正直日本の学生にはメリットはないように見えます。

大学の国際化と言えば、今週のNatureに沖縄科学技術大学院大学の記事が載っていました。
OISTを紹介した2つの記事が Nature 誌に掲載

日本の大学の国際化は進むのかもしれませんが、逆に日本人が離れて行ってしまうのではないかという懸念もあります。どうなるのか注視していきたいです。

アーモンドその5改め...

私がアーモンドだと信じていたもの、その正体がついに明らかになりました。

2011/06/25撮影。












実はApricotすなわちアンズでした...

アンズの学名はPrunus armeniaca。アーモンドPrunus dulcisとは容易に交雑するそうなので、同種と言っても良いくらいなのでしょう。その雑種の果実と仁は両方とも食べられたりはしないのでしょうね...

Shark and Awe: The Extreme Life of the Sea

講演会情報@Stanford。

Shark and Awe: The Extreme Life of the Sea
with Stephen Palumbi
July 14, 2011


This lecture begins at 7:00pm on the lawn of the Cantor Art Museum.

この講演会はSummer Science Lecture Seriesの2011年第3回です。

2011年6月29日水曜日

北国の巨大アリ

図書館で雑誌を読んで知った論文を検索して見つけました。
Giant ants spread in warm climes
写真あり。

Intercontinental dispersal of giant thermophilic ants across the Arctic during early Eocene hyperthermals.
Archibald SB, Johnson KR, Mathewes RW, Greenwood DR.
Proc Biol Sci. 2011 May 4. [Epub ahead of print]

始新世(5600万〜3400万年前)の約5000万年前に生息したアリの女王の化石がワイオミング州で見つかりました。Titanomyrma lubeiと名付けられたこの女王アリはハミングバードに匹敵する大きさで、アリとしては最大級です。ところで、現生最大のアリはアフリカに生息するDorylus属のアリで最大5センチにまでなります。ただほとんどの大型のアリが緯度の低い熱帯地方で見つかるのに対して、ワイオミングは緯度が高く、ドイツや南イングランドで見つかったアリととてもよく似ています。これはこのアリの仲間が北米とヨーロッパの間をおそらく北極圏を通って移動したことを示しています。このアリが生息した時代は地球上の気温が最も高かった時期の一つで、実際このアリの周囲ではセ氏20℃ほどで生息する植物が見つかっています。

2011年6月28日火曜日

ICTE2012

2012年の4/21から24にフランスのサンマロ(Saint-Malo)で2nd International Congress on Transposable genetic elementsが開催されます。Saint-Maloは世界遺産モン・サン=ミシェル(Mont Saint-Michel)にほど近いリゾート地らしいです。
まだトップページだけですが、ホームページができていましたのでリンクを貼っておきます。

ICTE2012

2011年6月27日月曜日

淡水性フナムシ

淡水性のフナムシが小笠原諸島の父島で発見されていたそうです。海岸では魚の死骸を食べたり、群れてすばっしこく走ったりと不人気なフナムシですが、ダンゴムシやワラジムシと近い仲間の甲殻類です。個人的には見た目はシミ(原始的な昆虫の仲間)に似ていると思っていましたが、写真を見比べてみるとずいぶんと違います。

フナムシ:淡水域に生息 小笠原諸島で新種確認、世界初

2011年6月26日日曜日

サクランボ

街路樹の桜の木がすっかり赤紫色になり、サクランボが実っていました。サクランボがなっているから桜だとわかるのですが、どんな花だったのかうろ覚えです。

食べられそうに見えますがどうなのでしょう?

2011/06/09撮影。

2011年6月25日土曜日

Rosicrucian Egyptian Museum

San Jose Municipal Rose Gardenのついでに、すぐ側にあるRosicrucian Egyptian Museumに行ってきました。こちらは有料で大人9ドル。AAA会員だと8ドルになります。
展示室が4室のそれほど大きくはない美術館で、目玉の展示品があるわけではないのですが、エジプト美術を一覧するには悪くない展示内容でした。
古代エジプト人がミイラを作ったのは有名ですが、ヒト以外の動物のミイラもたくさんつくられました。下の2枚の写真はナマズとヒヒのミイラ。

この美術館を運営しているのはAncient Mystical Order Rosae Crucis、すなわちバラ十字会で、美術館のある敷地に世界総本部があるそうです。


2011/05/29撮影。


2011年6月24日金曜日

2011年6月23日木曜日

CascadeによるDNA認識の構造基盤

Structural basis for CRISPR RNA-guided DNA recognition by Cascade
Jore MM, Lundgren M, van Duijn E, Bultema JB, Westra ER, Waghmare SP, Wiedenheft B, Pul U, Wurm R, Wagner R, Beijer MR, Barendregt A, Zhou K, Snijders AP, Dickman MJ, Doudna JA, Boekema EJ, Heck AJ, van der Oost J, Brouns SJ.
Nat Struct Mol Biol. 2011 May;18(5):529-36. Epub 2011 Apr 3.

CRISPR-Cas systemは原核生物に見られる配列特異的な獲得免疫機構です。そこに働くCascadeの構造が明らかになりました。CascadeはCasA、CasD、CasEが各1つ、CasBが2つ、CasCが6つと、61塩基のCRISPR RNA (crRNA)から構成される複合体であることが低解像度の構造解析で示されました。標的となる二本鎖DNAはほどかれて、一本がcrRNAと塩基対形成することで配列特異的に認識されます。また、CascadeによるDNAの認識はATPのエネルギーを必要とせず、結合の際に構造変化を伴うことがわかりました。

2011年6月22日水曜日

植物同定アプリ

NPRのニュースから。

What's That Tree? Try Smithsonian's New App To See

植物の同定が出来るSmartphone APPの紹介です。Leafsnapというこのアプリは写真を撮るとそれに似た植物の画像や情報が画面に表示され、それが何の植物か調べることができます。詳細は不明ですが、デジカメの顔認識技術を応用して開発されたとのことなので、葉や実の特徴をデータベースと比較してよく似たものを選んでくるのだと思われます。

現時点で検索データベースにはNew York's Central parkとWashington's Rock Creek Parkの植物全てが蓄積されており、またスミソニアン博物館の植物標本コレクションにもアクセスすることが出来ます。やがては北米全植物のデータベースを構築する予定になっています。

趣味や科学教育のツールとして使うと同時に科学コミュニティーに貢献できます。ユーザーが利用する毎に、GPS位置情報を使って何処にその植物が生えているかの情報が蓄積されていき、種の分布域のデータベースが構築されていくはずです。その後は地球温暖化に伴う分布域の変化を調べるなどの応用も期待できそうです。

Leafsnap
今のところダウンロード可能なのはiPhoneとiPad用だけですが、Android用も開発中のようです。このホームページから植物の画像が見られるので見てみるのも面白いですね。一番下の方にソメイヨシノ(Yoshino Cherry)もあります。

2011年6月21日火曜日

モントレー港にシャチ

シリコンバレー地方版の記事へのリンク。

モントレー港にシャチ【動画あり】

かなり港の中ですね。

アーモンドその4

久々にアーモンドを見たらずいぶんと大きくなっていました。

2011/06/11撮影。



2011年6月20日月曜日

Blumberg追悼

明日6/21の午後4時からNASA's Ames Research CenterのExploration Centerで先日亡くなったBaruch Samuel Blumbergの追悼企画が開催されるそうです。

NASA Ames to Host Tribute to Nobel Prize Winner Baruch Blumberg

最古の非海洋真核生物

「陸上」ではなく、「非海洋(non-marine)」なのは淡水中だから。

微少化石を解析して12億から10億年前には地上に真核生物がいたと主張する論文。微化石の解釈は難しいので専門外の私にはどの程度の信頼性があるのかはわかりません。

Earth’s earliest non-marine eukaryotes
Strother PK, Battison L, Brasier MD, Wellman CH.
Nature. 2011 May 26;473(7348):505-9. Epub 2011 Apr 13.

2011年6月19日日曜日

ナツメヤシのゲノム

ナツメヤシ(Phoenix dactylifera)のゲノムが解読されました。乾燥させたナツメヤシの果実デーツはドライフルーツとして売られているのをよく見かけます。味も形も干し柿によく似ているという印象です。干し柿よりさくさくしていますが。

De novo genome sequencing and comparative genomics of date palm (Phoenix dactylifera)
Al-Dous EK, George B, Al-Mahmoud ME, Al-Jaber MY, Wang H, Salameh YM, Al-Azwani EK, Chaluvadi S, Pontaroli AC, Debarry J, Arondel V, Ohlrogge J, Saie IJ, Suliman-Elmeer KM, Bennetzen JL, Kruegger RR, Malek JA.
Nat Biotechnol. 2011 May 29. [Epub ahead of print]

ナツメヤシは経済的に最も重要な3種類のヤシ科木本植物の1つだそうです。残る2つはアブラヤシとココヤシ。ナツメヤシは雌雄異株の樹木で5年から8年かけて性成熟するまで雌雄の判別がつきません。著者らはナツメヤシの約380 Mbのゲノム配列を解読し、性決定様式がXY型であることを示しました。これにより雌雄の判別が容易になり、デーツの産生が効率化されるはずです。

2011年6月18日土曜日

小笠原諸島

小笠原諸島が世界自然遺産に登録される見込みが高いそうですね。

小笠原諸島、来月23日にも世界遺産登録 不便なアクセス、環境に利点

これを機にいっそう貴重な生物の保護が進むことを期待します。
一方で残念なニュースも。

12生物絶滅、世界遺産に試練…小笠原・伊豆諸島で都認定

観光客が増えるとたとえ意識していなくても外来生物が進入する可能性が増加します。たとえコストがかかっても、船の中で服や靴を洗浄するようなステップを取り入れていかないと行けないのかもしれません。

2011年6月17日金曜日

シロアリ

清水寺、修復変更も…シロアリに「舞台」グラリ

我が家の近所でもついにシロアリの被害が判明しました。我が家も大丈夫か不安なところで人ごとではありません。

そういえば、以前所属した京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンターのある宇治キャンパスにはシロアリの実験施設がありました。

2011年6月16日木曜日

地底の線虫

論文メモ。
以前Miracle Planet EPISODE 1 The Violent Pastの項で紹介した高深度地下に生息する生物の話ですが、動物がいるというのは驚きです。

地下3.6キロに生息する線虫を発見

原著論文は以下。
Nematoda from the terrestrial deep subsurface of South Africa
Borgonie G, García-Moyano A, Litthauer D, Bert W, Bester A, van Heerden E, Möller C, Erasmus M, Onstott TC.
Nature. 2011 Jun 2;474(7349):79-82.

地下0.9から3.6kmに生息する線虫が見つかった。新種Halicephalobus mephistoを含むこれらの線虫は高温に耐え、地下のバクテリアを捕食している。

2011年6月15日水曜日

San Jose Municipal Rose Garden

San Jose市にあるバラ園に行ってきました。残念ながら時期が少し遅かったようで傷んだ花が多くなってしまっていました。管理もお世辞にも良いとは言えず、下が水浸しの花壇があったり、病気かな?と思うような葉が傷んだ木もありました。
ただ規模は圧巻で一見の価値ありだと思います。Wikipediaによると189種類のバラが植えられているそうです。入場無料ですし。

2011/05/29撮影。

2011年6月14日火曜日

13年ゼミのアイスクリーム

セミ入りアイス断念=衛生当局「食品基準ない」—米

素数ゼミですね。残念ながら東部にしか生息していないのでカリフォルニアでは見ることが出来ません。Wikipediaで見ると目の赤いアブラゼミのようです。

ストロンチウムからわかること

福島第一原発から放出されたストロンチウムの放射性同位体が問題となっています。周期表でカルシウムの真下に位置するストロンチウムはカルシウムと生理的に似た挙動を示すため、微量ですが骨に取り込まれます。その性質は以下の論文のように絶滅生物の生態を知るのに役立っています。

猿人も遠方から花嫁か 歯の化石で分析

Strontium isotope evidence for landscape use by early hominins


ストロンチウムはカルシウムの代わりに骨に沈着する性質がある。従って歯のストロンチウムの同位体比は育った地域の同位体比を反映する傾向がある。著者らは猿人Australopithecus africanusParanthropus robustusの歯のストロンチウムの同位対比を調べ、小さな猿人は大きな猿人よりも局地的なストロンチウム同位体比からずれる傾向があることがわかった。初期の猿人は性差が大きいことから、大きな猿人が雄、小さな猿人が雌と考えられる。従って当時の社会構造は雄が生まれた地域に残り、雌が移動するというものだった可能性が高い。これはチンパンジーやボノボでも見られる社会構造である。

2011年6月13日月曜日

KEGG FTP有料化

私が研究室で1年間、バイオインフォマティクスセンター全体だと2年間お世話になった金久實先生の研究室が維持運営するKEGGのFTPサービスの利用が、アカデミックユーザーであっても有料化されるそうです。

Plea to Support KEGG

現在の所属のGenetic Information Research Instituteもそうですが、データベースの維持のような継続的な仕事では、安定した研究費の確保がとても重要です。データベースが短期間で開発だけされてその後更新されないという状況は科学の発展によいはずはなく、持続的に更新維持されていくための予算が確保されることが今後益々重要になっていくと思います。

今年7月からのKEGGの利用は
FTPの非商用利用はNPO Bioinformatics Japanから、
FTPの商用利用はPathway Solutionsから、
FTP以外の利用はGenomeNetから
という体制になるようです。

2011年6月12日日曜日

90. リボソーム RNA 遺伝子の増幅と転移因子由来タンパク質 Fob1

ホームページを更新しました。またぞろ昔書いたものを引っ張り出してきたものですが...

2011年6月11日土曜日

Asilomar conference

私の所属するGIRI主催のConferenceのホームページができました。

3rd International Conference on Genomic Impact of Eukaryotic Transposable Elements

日時は2012/02/24(金)-28(火)、会場はAsilomar Conference Center, Pacific Grove, CA, USAです。有名なMonterey Bay Aquariumにも徒歩でも(行こうと思えば)行ける距離にあります。

これまでの2回はタイミングが合わず参加出来なかったのですが、今回は当然参加します。

2011年6月10日金曜日

シャベルのような象

今日はNPRニュースから絶滅動物の紹介。

A Mouth I Can't Stop Thinking About : NPR

Platybelodonは1500万年前から400万年前に生息した象の仲間で、特異な口と鼻が特徴である。このシャベルのような口は発見された当初から注目を集めたらしい。最初の仮説は、池の泥をすくってその中から栄養のある餌を摂取していたというもの。この記事では、灌木や枝をシャベルのように破壊して食べていたという新しい仮説を紹介している。

2011年6月9日木曜日

ツバメの巣作り

Cliff Swallowの巣作りがかなり進みました。まだ作り始めたばかりの後発組もいますが先発組の巣はほぼ完成です。写真は、泥をくわえて(上)、塗りつける(中)ところ。あと少しで完成の巣が並んでいます(下)。

2011/05/19撮影。


ご近所SETI Instituteのニュース

リンクのみ。

ET探査、予算削減で休止 再開へ支援募る

2011年6月8日水曜日

Mac OS X Lion

Mac OSXの新しいバージョン、Mac OSX Lionが発売されるそうです。
ちょっとお遊びでこれまでのOSXの名前を並べてみました。

Public Beta (Siam) - シャム猫Felis silvestris catus
Mac OS X v10.0 (Cheetah) - チーターAcinonyx jubatus
Mac OS X v10.1 (Puma) - ピューマPuma concolor
Mac OS X v10.2 (Jaguar) - ジャガーPanthera onca
Mac OS X v10.3 (Panther) - ピューマPuma concolorあるいはヒョウ属(Panthera)の動物
Mac OS X v10.4 (Tiger) - トラPanthera tigris
Mac OS X v10.5 (Leopard) - ヒョウPanthera pardus
Mac OS X v10.6 (Snow Leopard) - ユキヒョウUncia uncia
Mac OS X v10.7 (Lion) - ライオンPanthera leo

2011年6月7日火曜日

放射性物質を体外に排出する薬剤

放射性物質を体外に排出する薬剤、7月承認へ

ジトリペンタートカルはペンテト酸カルシウム三ナトリウム、
アエントリペンタートはペンテト酸亜鉛三ナトリウム
が成分で、静脈注射し、超ウラン原子(プルトニウム、アメリシウム、キュリウム)を尿中に排出する効果があるそうです。

すごい薬があるものだなぁと感心しましたが、基本的な原理は基礎的な生化学で理解可能です。

ペンテト酸(Pentetic acidまたはDiethylene triamine pentaacetic acid (DTPA) )はEDTA(エチレンジアミン四酢酸)によく似たキレート剤で特に多価イオンのキレートに向いています。EDTAも鉛中毒の治療で使われることがあるそうなので、同じ発想ですね。薬の成分中でペンテト酸にキレートされているのは必須元素のカルシウムや亜鉛なので、超ウラン原子がペンテト酸にキレートされた後は血中に残っても安全なのでしょう。

Nature ダイジェスト キャンペーン

1年購読の契約で3ヶ月余分に購読できるそうです。

Nature ダイジェスト 無料購読3か月分プレゼント!

2011年6月6日月曜日

ホーミングエンドヌクレアーゼでマラリアを防ぐ

論文メモ。

A synthetic homing endonuclease-based gene drive system in the human malaria mosquito
Windbichler N, Menichelli M, Papathanos PA, Thyme SB, Li H, Ulge UY, Hovde BT, Baker D, Monnat RJ Jr, Burt A, Crisanti A.
Nature. 2011 May 12;473(7346):212-5. Epub 2011 Apr 20.

マラリアは世界中で最も死亡数の多い伝染病の一つです。そのためマラリアを防ぐ手段はいろいろと研究されていますが、その一つが、マラリアの媒介生物である蚊を遺伝子組み換えしてマラリア原虫を運ばないようにするという手法です。ここで問題となるのが、組み換えられた遺伝子が野生集団中に広がっていかないと効果が得られないという点。通常組み換えれらた虫は若干適応度が低いためやがて野生型に淘汰されてしまいます。その解決策がホーミングエンドヌクレアーゼの利用です。

ホームページでも何度か紹介していますが、利己的な遺伝子であるホーミングエンドヌクレアーゼは対立遺伝子を切断し、自身を鋳型に修復させることで集団中での割合を高めることができます。ホーミングエンドヌクレアーゼの1種I-SceIを組み込んだ蚊と組み込んでいない蚊を混ぜて網の中で飼育すると、たとえ最初はI-SceIを持つ個体の割合が少なくとも急速に高くなることが示されました。

遺伝子組み換え生物を野外に放すという点に倫理的もしくは潜在的な危険がありますので実用化はずいぶん先のことになりそうですが、病気の被害と天秤にかけると試してみる価値はあると思います。

2011年6月5日日曜日

O104

欧州で感染拡大の大腸菌は新種、抗生物質に耐性=研究者

欧州で猛威を振るっている大腸菌O104:H4。今の時代大腸菌ぐらいのゲノムサイズだとあっという間にゲノムが読まれます。それが中国の研究所(BGI、旧名Beijing Genomics Institute)だというのは少し驚きでした。

BGI

これによると欧州で広がっている株に見つかる、既知の病原遺伝子はstx2一つだけだそうです。一方で薬剤耐性遺伝子が8つ見つかり、aminoglycoside、macrolides、Beta-lactam系、cephalosporin、monobactam、penicillin、streptomycinなどの抗生物質に耐性を持っているそうです。

2011年6月4日土曜日

Workshop 2 :Reverse transcriptase as an evolutionary force

発表がSMBE2011のワークショップに採択されました。

Workshop 2: Reverse transcriptase as an evolutionary force
Organized by: Wojciech Makalowski
Speakers: Juergen Brosius, Richard Cordaux, Kazutaka Takeshita, Amit Pande, Izabela Makalowska, Kenji K. Kojima
Time and Room: 9:30-12:00, July 27, room S-3

SMBE 2011 Kyoto Symposia and Workshops

2011年6月3日金曜日

Repbase Reports 11(5)

Repbase Reportsの今年第5号が公開されました。今号は哺乳類のendogenous retrovirusを中心に報告しています。哺乳類ではGypsy、Copia、BELの3グループのLTR retrotransposonが全て失われ、代わりに感染性だったretrovirusが内在化してそのニッチに座っています。endogenous retrovirusは3グループに分けられ、ERV1はTSDが4塩基、ERV2は6塩基、ERV3は5塩基という特徴があり、同定の際にはTSDの長さと配列の相同性を利用して分類しています。

Repbase Reports 2011, Volume 11, Issue 5

2011年6月2日木曜日

CPP 2011 San Francisco

博士課程在籍者と博士取得者のための就活相談会かつ就職説明会であるCPPに行ってきました。今回は就活の予定はないのですが、「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず。」

CPP 2011 San Francisco

San Franciscoと名が付いていますが、会場は隣町Palo Alto。遠くはシカゴからはるばるやって来た人たちもいました。
午前10時から午後3時まで面接対策と称して自己紹介の練習。こういう機会でもないと練習などできないので貴重な体験でした。3時から5時までが大塚製薬の岩本太郎社長の講演会。聴講者が30名ほどだったので、社長自ら講演にはるばるやってくるというのは正直驚きです。講演内容は企業経営のためには百年先を見据えなければならないというもので、最近(名実ともに)近視眼的になりかけている私にとっては大変刺激になりました。
その後、今回の参加企業の企業説明会があり、最後が交流会。

就活となると相手が怖く思えたりするものですが、交流会では打ち解けた雰囲気で会話ができ、翌日以降の就活に必要以上に緊張せずに済みそうで良い会だと思いました。企業もアカデミアもほとんど変わりありませんね。

午後10時を過ぎて散会になるところに、社長が仮眠から戻ってきて再び交流会が12時過ぎまで続きました。

2011年6月1日水曜日

オルドビス紀のアノマロカリス類

アノマロカリス類はバージェス動物群の代表的な生物として知られています。バージェス動物群はカンブリア紀(5億4200万年前〜5億100万年前)のものですが、アノマロカリスの仲間はオルドビス紀(4億8800万年前〜4億7200万年前)まで生き残っていたことがモロッコで発見された化石からわかりました。

A giant Ordovician anomalocaridid
Van Roy P, Briggs DE.
Nature. 2011 May 26;473(7348):510-3.

スティーブン・J・グールドの著作「ワンダフル・ライフ」では所属不明の動物の代表格として扱われましたが、現在では節足動物の姉妹群に相当するグループの一員と考えられています。