2012年1月31日火曜日

透明な翅

いつも読んでいる無料新聞Epoch Timesの記事から。
新聞は白黒だったのでカラーで見たくてwebsiteに飛んでみました。でも画像はWikipediaからの引用でした。

SCIENCE IN PICS: The Dazzling Glasswinged Butterfly

中米産の蝶Greta otoは幼虫も成虫も餌からアルカロイドを摂取することで体内に毒を蓄えて外敵から身を守っています。

これまで意識したことがなかったのですが、Greta otoを含むタテハチョウの仲間の前脚は退化しており、4本脚で立っているそうです。よく見ると4本しか脚が見えませんね。

2012年1月30日月曜日

第3回七夕ミーティング

昨年参加した横浜理研GSCの七夕ミーティングが今年は本当に七夕の時期7/6に開催されます。海外からでも旅費が支給されます(割と規定が厳しいですが)ので、もし海外からの一時帰国を考えている人は検討してみたらいかがかと?去年参加してかなり楽しめました。連続参加は可能なのかしら?
応募締め切りは3月9日です。

第3回Genomic Sciences Research Complex(GSC)七夕ミーティングポスター発表者 募集要項

Miller’s Grizzled Langur

無料新聞Epoch Timesの記事から。
絶滅したと思われていたサルMiller’s Grizzled Langur(学名Presbytis hosei canicrus)がボルネオ島で再発見されました。これまでに知られていた生息域の外で発見されたので、驚きだったようです。

Borneo Monkey Thought Extinct Found Outside Its Known Range

2012年1月29日日曜日

哺乳類の多様性につながる複数の経路

一般的には、新しいニッチが開かれた時期に急速に進化が起こり、その後ニッチが埋められるにつれて徐々に進化速度は低下すると考えられています。

Multiple routes to mammalian diversity
Venditti C, Meade A, Pagel M.
Nature. 2011 Oct 19;479(7373):393-6. doi: 10.1038/nature10516.

著者らは進化速度の変化を自動的に見つけることができる統計的手法を開発し、哺乳類のデータセットに試しています。一般的に考えられているのと異なり、継続的な進化速度の上昇は認められませんでした。一方、ある生物群(例えば翼手類)では、10倍から52倍の急激な上昇がある系統群が生まれる前に起こり、その後急速に基準レベルに低下することが示されました。他では上昇していたり、低下していたりと様々でした。

不確定な要素が多いのに加えて、系統毎に異なった環境や淘汰圧がかかっていたりするので、なかなか普遍的な方向性を見つけるのは難しいようです。

2012年1月28日土曜日

ロブスター

しばらく前の話ですが、
冷凍ロブスターをCostcoで買ってきて食べてみました。尻尾(腹部)しかありませんでしたが、結構な大きさでした。

アメリカで売られているロブスターはアメリカンロブスター (学名Homarus americanus)。巨大なザリガニといった印象ですが、実際にザリガニの仲間です。ザリガニと同じザリガニ下目 Astacideaに属し、上科のレベルで異なっています。

ザリガニ上科 Astacoidea
 ザリガニ科 Astacidae
  タンカイザリガニ、ウチダザリガニなど
 アメリカザリガニ科 Cambaridae
  ニホンザリガニ、アメリカザリガニなど
アカザエビ上科(ウミザリガニ上科) Nephropoidea
 アカザエビ科(ウミザリガニ科) Nephropidae
  ロブスター、アカザエビなど
(Wikipediaより)

イセエビはイセエビ下目Palinurideaなので割と離れていますね。イセエビやカニ、ヤドカリなど全て合わせてエビ亜目(抱卵亜目)Pleocyemataを形成します。

2012年1月27日金曜日

淡水白点病病原体の大核ゲノム

淡水観賞魚の白点病は寄生性の繊毛虫(Ichthyophthirius multifiliis、和名はウオノカイセンチュウだそうです)により引き起こされます。メチレンブルーで薬浴させた経験がある人も多いと思います。そのIchthyophthirius multifiliisの大核ゲノムが解読されました。繊毛虫は大核と小核という2種類の核を持っており、大核は小核の一部の配列が増幅されて形成されます。大核ゲノムを読めばおおよそのタンパク質やRNAのレパートリーが理解できるというわけです。

Comparative genomics of the pathogenic ciliate Ichthyophthirius multifiliis, its free-living relatives and a host species provide insights into adoption of a parasitic lifestyle and prospects for disease control.
Coyne RS, Hannick L, Shanmugam D, Hostetler JB, Brami D, Joardar VS, Johnson J, Radune D, Singh I, Kumar U, Saier M, Wang Y, Cai H, Gu J, Mather MW, Vaidya AB, Wilkes DE, Rajagopalan V, Asai DJ, Pearson CG, Findly RC, Dickerson HW, Badger JH, Wu M, Martens C, Van de Peer Y, Roos DS, Cassidy-Hanley DM, Clark TG.
Genome Biol. 2011 Oct 17;12(10):R100. [Epub ahead of print]

2012年1月26日木曜日

Lynn Margulis (1938–2011)

ちょっと情報が遅いかもしれませんが、細胞内共生説を唱えたLynn Margulisが昨年11月22日に73歳で亡くなったことをScienceの記事で知りました。真核生物の初期進化において複数回バクテリアを細胞内に取り込み、一つはミトコンドリアに、もう一つは色素体になったという細胞内共生説は今や常識です。一方、同時に提唱された鞭毛がスピロヘータに由来するという仮説は否定されています。

Retrospective Lynn Margulis (1938–2011)

共生説の論文は1967年、彼女が29歳の時に出版され、それまでに15のジャーナルにリジェクトされていたそうです。蛇足ですが、その論文の著者名はLynn Saganです。

On the origin of mitosing cells
Sagan L.
J Theor Biol. 1967 Mar;14(3):255-74.

2012年1月25日水曜日

最古の細菌?

最古の細菌発見 海洋機構、生命誕生の謎解明へ

最古とはどういう意味かと思ったのですが、最も初期に分岐した真正細菌という意味のようです。

2012年1月24日火曜日

Wolbachiaでデング熱を防ぐ

しばらく前の論文ですが、ちょうどデング熱を媒介するAedes aegyptiのコントロールとWolbachiaとの両方を紹介したので、紹介します。

感染後の有効な対策がないデング熱ではウイルスを媒介する蚊を減らす事が有効な対策として考えられます。当然殺虫剤が使われている訳ですが、やがて蚊は耐性を獲得するでしょうし、人体への健康被害や生態系への影響も軽視できません。デング熱を媒介する蚊Aedes aegyptiだけを減少させることができればよいのですが、以前紹介したように遺伝子組み換えは周囲の抵抗も強く当面は現実的ではありません。

以下の2つの論文では、自然に存在するものを使ってデング熱を減らそうという試みを紹介しています。昆虫の共生・寄生細菌であるWolbachiaを用いて蚊の自然集団の性質をコントロールしようとする試みです。Wolbachiaは自身を効率よく伝播させるために細胞質不和合という現象を起こします.感染したオスと非感染メスとの交配で生まれた卵が発生しない現象で、これには(悲感染雌の生殖成功率を下げることで、)雌を介してしか伝播しないWolbachiaの、集団中での頻度を上げる効果があります。実際に、キイロショウジョウバエのWolbachiaであるwMelをAedes aegyptiに感染させたところ、細胞質不和合を起こし、最初65%の感染率だったものが数世代経ると100%の感染率になったそうです。また、Wolbachiaの感染は、デング熱ウイルスの血清型2の伝播を阻害する効果が認められたので、これは有効なデング熱対策の可能性を持っています。もっとも、蚊を減らす効果があるわけではないので、目覚ましい成果は期待できないのも確かです。

The wMel Wolbachia strain blocks dengue and invades caged Aedes aegypti populations
Walker T, Johnson PH, Moreira LA, Iturbe-Ormaetxe I, Frentiu FD, McMeniman CJ, Leong YS, Dong Y, Axford J, Kriesner P, Lloyd AL, Ritchie SA, O'Neill SL, Hoffmann AA.
Nature. 2011 Aug 24;476(7361):450-3. doi: 10.1038/nature10355.

Successful establishment of Wolbachia in Aedes populations to suppress dengue transmission
Hoffmann AA, Montgomery BL, Popovici J, Iturbe-Ormaetxe I, Johnson PH, Muzzi F, Greenfield M, Durkan M, Leong YS, Dong Y, Cook H, Axford J, Callahan AG, Kenny N, Omodei C, McGraw EA, Ryan PA, Ritchie SA, Turelli M, O'Neill SL.
Nature. 2011 Aug 24;476(7361):454-7. doi: 10.1038/nature10356.

2012年1月23日月曜日

細菌感染で卵が増える

Wolbachiaは母系感染するバクテリアで、昆虫や線虫に感染します。面白いのは、Wolbachiaは卵の細胞質を通じて子孫に感染することで垂直伝播する戦略を取っており、そのために様々な方法で自分の感染する卵の数を最大にしようとします。例えば、宿主の性別を雌に変化させて卵を生産させるなどです。しかし、実際にどのようにしてWolbachiaが宿主の性をコントロールしているのかはわかっていません。

Wolbachia Enhance Drosophila Stem Cell Proliferation and Target the Germline Stem Cell Niche
Fast EM, Toomey ME, Panaram K, Desjardins D, Kolaczyk ED, Frydman HM.
Science. 2011 Nov 18;334(6058):990-2. Epub 2011 Oct 20.

この論文では、ショウジョウバエの1種Drosophila mauritianaに感染したWolbachiaが生殖幹細胞の細胞分裂を誘導し、逆に細胞死を抑制することで卵の数を未感染の個体の場合の約4倍に増やしているという報告をしています。

2012年1月22日日曜日

遺伝子組み換え蚊を自然界に放す

もう一つScientific Americanの2011年11月号から。「The wipeout gene」。デング熱の被害を減らすために遺伝子組み換え蚊を自然界に放すという話です。

Scientific American November 2011 Issue

デング熱またはデング出血熱は重症の場合全身の穴から血を吹き死に至るという恐ろしい病気で、中南米で大きな問題になっている感染症です。この病気には治療法がなく、発症者の数%が死亡するという致死率の高い病気で、対策が必要な重要な感染症の1つです。幸いデング熱の病原体デングウイルスはネッタイシマカAedes aegyptiだけが媒介するので、この蚊をコントロールすることで病気を減らすことができるはずです。

現在進行中の計画はトランスジェニック蚊を用いて野生集団の数を減らすというものです。2種類のトランスジェニック蚊が実際の利用に向けて開発されました。一つは、雌雄共に次世代が幼虫の段階で死亡するというもので、中米ケイマン諸島でOxitecという会社が野生集団に放す実験を行った株です。もう一つは、この記事で主に紹介されている、次世代の雌だけが幼虫の段階で死ぬというもので、メキシコで隔離されたケージで実験が行われています。後者の方が野生集団を減らす効果は高いのですが、より複雑なので実際の実験が遅れているようです。どちらもこれまでのところかなり効果をあげていて数十%もの個体数の減少が見られるそうです。

目下の課題は、トランスジェニック生物を自然界に放すことの倫理的、あるいは潜在的なリスクです。このブログでも2011年6月6日の記事でマラリアの抑制の為にトランスジェニック蚊を使う計画を紹介しました。このトランスジェニック蚊を用いる方法についてマラリアよりもデング熱が先行しているのは、(1)マラリアが複数の蚊によって媒介されるのに対して、デングウイルスは1種類の蚊のみが媒介する(Wikipediaによるとヒトスジシマカ(Aedes albopictus)も媒介する可能性がありますがその頻度は非常に低いようです)、(2)有用な対策がない(マラリアにはキニーネなどの抗マラリア薬があります)、の2点が理由としてあります。確かにトランスジェニックの蚊が自然界に放されることで予想外の事態が起こる可能性もあります。しかし、デング熱やマラリアによる死者の数や被害の大きさを考えると、危険性を考慮した上でも実用化を進めるのがよいと思います。

実は遺伝子組み換えを使わない同様な仕組みも開発中ですが、これは日を改めて記事にしたいと思います。

2012年1月21日土曜日

鳥インフルエンザ研究の自主停止

2011年12月21日水曜日のブログの記事の続報です。昨年12月20日にアメリカの政府機関がNatureとScienceに対して実験手法の詳細を掲載しないように要請しました。これは再現性を重視する科学界にとっては到底受け入れられない内容でしたが、それでも生物テロの危険性を無視してこれまで通りの研究を継続することもまた許されない状況になったようです。

強毒性の鳥インフル研究停止…テロ防止策検討

あくまで中止するわけではなく、防止策を検討する時間を捻出するために、全てのH5N1型のインフルエンザの研究を60日間停止するという内容です。抜け駆けの無いようにこの分野の世界中の一線の研究者が合同で発表しています。自主停止の60日間で万全の対策ができあがるとは思えませんが、世界中で議論が行われ、より良い対策を作る素地ができることを期待したいですね。

Natureの記事は以下。
Pause on avian flu transmission studies
上記記事についてのNews。
Scientists call for 60-day suspension of mutant flu research

Scienceの記事は以下。
Pause on Avian Flu Transmission Research
文章はどちらも同じです。

シーラカンスのゲノム

もう1月近く前の話になりますが、シーラカンスのゲノムが解読されました。
シーラカンス、ゲノムを解読 陸上動物と同じ遺伝子
シーラカンスのゲノム解読=進化過程解明に期待—東工大など

2012年1月20日金曜日

ビルハルツ住血吸虫

住血吸虫症の病原体の1種Schistosoma haematobium(ビルハルツ住血吸虫)のゲノムが解読されました。

Whole-genome sequence of Schistosoma haematobium.
Young ND, Jex AR, Li B, Liu S, Yang L, Xiong Z, Li Y, Cantacessi C, Hall RS, Xu X, Chen F, Wu X, Zerlotini A, Oliveira G, Hofmann A, Zhang G, Fang X, Kang Y, Campbell BE, Loukas A, Ranganathan S, Rollinson D, Rinaldi G, Brindley PJ, Yang H, Wang J, Wang J, Gasser RB.
Nat Genet. 2012 Jan 15. doi: 10.1038/ng.1065. [Epub ahead of print]


同属のSchistosoma mansoni(マンソン住血吸虫)とSchistosoma japonicum(日本住血吸虫)のゲノムは既に報告されていますので、3種目ということになります。


The genome of the blood fluke Schistosoma mansoni.
Berriman M, Haas BJ, LoVerde PT, Wilson RA, Dillon GP, Cerqueira GC, Mashiyama ST, Al-Lazikani B, Andrade LF, Ashton PD, Aslett MA, Bartholomeu DC, Blandin G, Caffrey CR, Coghlan A, Coulson R, Day TA, Delcher A, DeMarco R, Djikeng A, Eyre T, Gamble JA, Ghedin E, Gu Y, Hertz-Fowler C, Hirai H, Hirai Y, Houston R, Ivens A, Johnston DA, Lacerda D, Macedo CD, McVeigh P, Ning Z, Oliveira G, Overington JP, Parkhill J, Pertea M, Pierce RJ, Protasio AV, Quail MA, Rajandream MA, Rogers J, Sajid M, Salzberg SL, Stanke M, Tivey AR, White O, Williams DL, Wortman J, Wu W, Zamanian M, Zerlotini A, Fraser-Liggett CM, Barrell BG, El-Sayed NM.
Nature. 2009 Jul 16;460(7253):352-8.

The Schistosoma japonicum genome reveals features of host-parasite interplay.
Schistosoma japonicum Genome Sequencing and Functional Analysis Consortium.
Nature. 2009 Jul 16;460(7253):345-51.

2012年1月19日木曜日

最初のアメリカ人

Scientific Americanの2011年11月号に「The 1st Americans」という記事が載っていました。南北アメリカ大陸に最初に到達した人類がどこから来て、どのようにして生活していたのかについて人類学考古学分野の最近の研究を紹介したものです。

Scientific American November 2011 Issue

記事によると、

旧来の説(Clovis First説)では、約13000年前に大型動物を狩る狩猟グループがベーリング陸橋(氷河期でベーリング海峡の海面が下がって出来ていた陸地)を通り、氷河が縮退した間を通り抜けて、獲物の多い南方へ速やかに移動したと考えられていました。しかし最近の研究の進展により、それ以前15000年前には既にアメリカ大陸に人類が住んでおり石器を使っていた痕跡が見つかってきました。20000年前にもベーリング陸橋の南側は氷河に覆われていなかったこともわかってきました。

そこで、最近の学説では、以下のように考えられています。

20000年前には既に北アジア(シベリア)から一部の人類がベーリング陸橋の周辺に移動し、海生哺乳類、鳥類などを狩りながら長期にわたって住んでいました。彼らはおそらく舟を使って、海岸伝いにベーリング陸橋から北アメリカ西岸を移動し、最終的には南アメリカに到達しました。この過程はゆっくりとしたもので寒い地域を一気に通り抜けるというものではなかったようです。一方、旧来の説と同様に氷河が縮退してきた15000年前頃には大型動物を狩る狩猟民族がロッキー山脈の東側に出来た、氷河の隙間を通って南下しました。

氷河期というと辛い苦しい時代のいう印象を受けますが、むしろ豊かな時代だったのかもしれません。

2012年1月18日水曜日

ホタテガイの眼

ホタテガイの眼がこんなに綺麗なモノだなんて知りませんでした。
Dazzling Miniatures: View Highlights from BioScapes Photo Contest Slide Showの7番目の写真を見てください。

外套膜(ヒモ)の周囲には、およそ80個の小さな眼点(眼)があり、明るさを感じることができるそうです。

2012年1月17日火曜日

SUDOKU(数独)

アメリカに来て驚いたことの1つはどの新聞を見ても必ずSUDOKU(数独)が載っていることでした。フリーペーパーでも商業紙でも必ず載っています。日本でも100円ショップに本が売っているくらいですから人気なのはわかっていたのですが、世界的にこれほど人気があるとは知りませんでした。

そのSUDOKUの最初に必要な数字は17個で、16個では単独の解答に結びつかないことが数学的に示されました。
Mathematician Claims Breakthrough in Sudoku Puzzle

ちなみに数独は「数字は独身に限る」の略だそうです。

2012年1月16日月曜日

Machine Learning感想

もう一つのStanford UniversityのOnline講義「Machine Learning」の感想がずいぶんと遅くなりました。
Machine Learning

10月10日から始まり、12月16日に終わりました。「Introduction to Database」から1週間遅れての終了です。
こちらは2種類の選択肢があり、1つは講義を聴き、クイズに答えるというもの、もう一つはそれに加えてプログラムの宿題を提出するというもの。私はIntroduction to Databaseを同時に取っていたので負担を考えてプログラムの課題の無い、簡単な方のオプションを選択しました。

参考までに講義内容の一覧を記すと、
Introduction
Linear regression with one variable
Linear algebra review
Linear regression with multiple variables
Octave tutorial
Logistic Regresssion
One-vs-all Classification
Regularization
Neural Networks
Backpropagation Algorithm
Practical advice for applying learning algorithms
How to develop and debug learning algorithms
Feature and model design, setting up experiments
Support Vector Machines (SVMs)
(Survey of other algorithms: Naive Bayes, Decision Trees, Boosting )
Unsupervised learning: Agglomerative clustering, k-Means, PCA
Combining unsupervised and supervised learning
Independent component analysis
Anomaly detection
Other applications: Recommender systems, Learning to rank
Large-scale/parallel machine learning and big data
Machine learning design / practical methods
Team design of machine learning systems
(全てはやらなかった気がします。)

Introduction to Databaseに比べると、こちらの方がそれぞれのビデオの長さが短く、調節しながら聴くのには適していました。一方、ダウンロードしたビデオで画像が壊れており、見にくいという問題もありました。ストリーミング形式で聴けばこの問題はなく、途中に挟まれるクイズも挑戦することができます。

プログラムの課題はやらなかったので宿題はクイズのみでした。何度もやり直しができるので時間があれば満点になるまで繰り返すことができます。でもわからない問題もあったりして、私の場合は最終的なスコアは80点満点中77.5点でした。

Neural NetworkやSupport Vector Machineなど、京大でポスドクをしていた頃に聞き知ってはいましたが詳細を理解していなかった技術について理解することができたのは大変な収穫でした。ただ、プログラムの課題を取らないと、知識だけは得た気になりますが実際に使えるようにはならないので、機会があったらプログラムの課題もあるコースに再チャレンジしてみたいと思います。

2012年1月15日日曜日

テロメアの長さと寿命

Telome healthを紹介した流れで、テロメアつながりでニュースを一つ紹介します。

テロメアの長さが老化と関係する事は周知の事実です。
でも、「しかし、実験動物を自然死するまで長期間にわたって飼育する必要があることなどから、これまで寿命とテロメアの長さとの関係をはっきりと証明する研究はなかった。」と言われてみればその通りかもしれません。

<寿命の科学>染色体末端「テロメア」が長いほど長寿

原著論文はこちら↓
Telomere length in early life predicts lifespan
Heidinger BJ, Blount JD, Boner W, Griffiths K, Metcalfe NB, Monaghan P.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2012 Jan 9. [Epub ahead of print]

この研究ではゼブラフィンチの99個体のテロメア長を生涯にわたって測定し、生後25日のテロメア長が寿命と強い相関関係があることを明らかにしています。一方で繁殖によりテロメア長は短縮しますが、寿命との強い相関はありませんでした。
従って生後まもなくのテロメア長が寿命を決定していると言っても良いでしょう。飼育環境は一定にしているのでしょうが、テロメアを長くしようと努力しても無駄ということにもなるのかもしれません。

2012年1月10日火曜日

アサギマダラの渡り

アサギマダラから和歌山から香港まで渡ったというニュースが出ていました。

83日間チョウの旅…最長記録2500キロ

同じ渡りをする蝶のMonarchとの関係が気になったので少しWikipediaで調べてみました。
アサギマダラ, Chestnut Tiger, Parantica sita
オオカバマダラ, Monarch butterfly, Danaus plexippus

属は違いますが、どちらも同じタテハチョウ科マダラチョウ亜科に属する蝶です。幼虫の食草(主にガガイモ科植物)から毒(アルカロイド)を取り込む性質や渡りをする習性などよく似ています。でも色は全く違って、アサギマダラは青色系統、オオカバマダラは赤色系統です。

2012年1月9日月曜日

Scientific American

妻が見つけた話ですが、今Scientific AmericanのFacebookのサイトで年間購読のスペシャルオファーがでています。年間購読料がアメリカ国内で$19.95、海外で$30、どちらも送料込みの値段です。実際には無料号が1号ついてくるので、実質13冊を買う計算になります。ウェブサイトのオファーより割引率が高いのは魅力的です。

アメリカでは本屋で雑誌を買うのが馬鹿らしく思える程、定期購読と単品購読のあいだに価格差があります。Scientic Americanを普通に買うと、一冊$5.99です。ちなみにその日本語版の日経サイエンスは年間¥15372。

2012年1月8日日曜日

Telome health

Scientific Americanの10月号にElizabeth H. Blackburnのインタビューが載っていました。その中で知ったことですが、最近創業者の一人としてTelome healthという会社をMenlo Parkに立ち上げたそうです。テロメアの長さを測る会社とのことです。
Telome health

このウェブサイトは全く未完成で、タイトル画面しかありません。中途半端なサイトは企業イメージを悪くすると思うのですが...

2012年1月7日土曜日

第68回 LSJセミナー&第69回 LSJ セミナー

次回、次々回のLSJセミナーの案内があったので日程等を紹介します。詳細は最後のリンクからご覧ください。

第68回 LSJセミナー
日時:2012年 1月 18日 (水) 17時45分 (17時30分開場)
場所:Clark Center S360
参加費:無料

演題:血管炎症の分子細胞イメージング
演者:小菅寿徳さん (Postdoctoral Fellow, Cardiovascular Medicine, Stanford University)

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第69回 LSJ セミナー
日時:2012 年 1月 27 日(金) 17 時 45 分(17 時 30 分開場)
場所:Li Ka Shing Center (LKSC), Room120
参加費(懇親会含む):無料

演題:
IPS細胞から臓器を作る –次世代の再生医療を目指して-

演者:
東京大学医科学研究所・幹細胞治療研究センター・幹細胞治療分野 科学技術振興機構・戦略的創造研究推進事業(ERATO)・中内幹細胞制御プロジェクト 
中内啓光先生

68th & 69th LSJ Seminars

骨を食べるキリン

驚いたので紹介。

Giraffes Eat Bones--and Other Things I Learned on Safari [Slide Show]

植食性のキリンもたまには無機質の補給のために骨を食べるそうです。

2012年1月6日金曜日

ソテツは生きた化石か?

ソテツ(蘇鉄)は熱帯性であることから南国風の演出のためによく用いられる裸子植物です。ソテツ類はジュラ紀から白亜紀にかけて繁栄した植物群で現在では300種程度が残っています。このため、生きた化石と呼ばれる事がありますが、実は現生のソテツ類は1200万年ほど前に多様化したグループだそうです。

Recent Synchronous Radiation of a Living Fossil
Nagalingum NS, Marshall CR, Quental TB, Rai HS, Little DP, Mathews S.
Science. 2011 Nov 11;334(6057):796-9. Epub 2011 Oct 20.

徐星

Yahoo! Newsを見ていたら中国の恐竜研究の第1人者徐星(Xing Xu)の紹介記事があったのでリンクを貼ります。タイトルは三流記事みたいですが、内容は真面目です。

中国に現る! 最強の恐竜ハンター

2012年1月5日木曜日

マツタケ

しばらく前の話ですが、我が家のそばの日系スーパーNIJIYAでマツタケが売っていました。秋口に入荷してからずっと高いなあと思って眺めていたのですが、時季が過ぎて安くなったので試しに買ってみることにしました。傘の開いた大きなマツタケを5ドルほどで購入。

マツタケというと傘の閉じたイメージなので、これはどうかとは思ったのですが、マツタケご飯にしてみると意外と香りが残っており十分楽しめました。

さて、マツタケの学名はTricholoma matsutake。 担子菌門(Basidiomycota)ハラタケ目(Agaricales)キシメジ科(Tricholomataceae)に属します。論文を読むときには和名で見ないのでこの表記は新鮮です。

2012年1月4日水曜日

硫化水素

硫化水素は腐卵臭の主成分で、下水やゴミなどから発生する気体です。私も最近傷んだ鶏肉からこの臭いを嗅ぎました。これは嫌気性細菌が食品中の硫黄を還元して作られるわけですが、なぜ細菌が硫化水素を合成するのかはよくわかっていませんでした。以下の論文では、その働きについて書かれています.

H2S: A Universal Defense Against Antibiotics in Bacteria
Shatalin K, Shatalina E, Mironov A, Nudler E.
Science. 2011 Nov 18;334(6058):986-90.

多くの真性細菌は硫化水素を合成する能力を持っています。この論文では、代表的な細菌3種(Bacillus anthracis, Pseudomonas aeruginosa, Staphylococcus aureus)の硫化水素合成系の遺伝子cystathionine β-synthase、cystathionine γ-lyase、3-mercaptopyruvate sulfurtransferaseを破壊すると硫化水素を合成しなくなり、抗生物質に対する耐性が極端に低下することを示しています。細菌が合成する硫化水素と酸化窒素は酸化ストレスを軽減することで細菌の増殖に寄与しているらしい。

2012年1月2日月曜日

Repbase Reports 11(12)

Repbase Reportsの昨年最後の号、第12号が年末に公開されました。今号では、トウモロコシ、リンゴ、ヒカゲノカズラ植物のイワヒバ類Selaginella moellendorffiiの転移因子を報告しています。

Repbase Reports 2011, Volume 11, Issue 12

2012年1月1日日曜日

文字コード

ウェブサイトの文字コードをUTF-8からShift-JISに変更しました。UTF-8で設定していたのですが、どうやらウェブサイトをおいているYahoo geocitiesの広告が原因でShift-JISとして認識されているようなのでやむを得ず変更しました。

小島生物学御研究室

明けましておめでとうございます

大晦日に目が覚めると既に日本では年が明けていました。私の住むカリフォルニアは日本よりも17時間遅いのでほぼ一日近く年が明けるのが遅くなります。今年からはサモアよりも遅くなってしまいましたし。

今年も出来るだけ毎日更新していきたいと思っていますので読者の方々よろしくお願いします。気が向いたらコメントにも書き込んでくださいね。