2011年8月31日水曜日

七夕ミーティング感想

日本滞在丸2日の訪日から無事アメリカに帰ってきました。

七夕ミーティングについては、2回目ということで改善点もまだ多くあるようですが、全体を通してとても有意義な会でした。参加できたことはとても良かったと思っています。いくつか思ったことを書いておきます。今後参加を検討される方の参考までに。

30分程度の口演が2題ありましたが、どちらも新しい技術を導入して研究成果につなげているという話でした。この会だけなのか理研全体なのかはわかりませんが、technology-drivenの研究が評価されやすい下地があるのではないかな?

会場の配置も知らない状態で「入退場含めて2分」というお達しのあった2分間スピーチは、企画者、発表者ともに改善の余地有り。多くの発表者がスライドを準備してきていました(私はスライド使用可というメールに気づいたのが〆切り後でした...)が、短い時間で話を全て伝えようとするあまりに早くて観衆の(少なくとも私の)理解が付いていかないスピーチになってしまっていました。「ポスター発表が本番」と割り切って、そのポスターの宣伝に徹するのが正解だったかもしれません。

自分のポスターについては人が割と多く来た印象です。少なくとも分子生物学会のポスター発表よりはまともなディスカッションができました。もう少し広いポスター発表の場所が確保されたらより良かったのかもしれません。

何はともあれ、発表が終わった後には、懇親会。理研の先生方も多く参加され、有意義な情報交換ができました。その後は発表者だけで鶴見駅前で二次会。珍しく自作名刺が活躍しました。

2011年8月30日火曜日

顎の初期進化

論文メモ。
Fossil jawless fish from China foreshadows early jawed vertebrate anatomy

脊椎動物の2分類群、顎口類(有顎類)と無顎類の最大の違いは名前の通り顎の有無です。しかし、顎が進化的にどのようにして形成されたかはあまり明らかではありません。ostracodermsは絶滅した無顎類で、顎口類の祖先と目される生物群です。著者らはX線トモグラフィーを用いて、galeaspid(4.35億〜3.7億年前のostracodermの仲間)の化石の顎の2つの構造を明らかにしています。

1. 鼻嚢(nasal sac)の対が脳頭蓋(braincase)の中に位置する
2. 下垂体管腫(hypophyseal duct)が口腔(oral cavity)に向かって開く

鼻嚢の対と下垂体管腫が独立していることは顎口類と共通し、円口類(現生の無顎類)や他の絶滅した無顎類(osteostracans)とは異なる特徴で、このことは、顎が1回のイベントではなく、段階的に形成されたことを示している。

2011年8月29日月曜日

顎口類の初期進化

論文メモ。
Initial radiation of jaws demonstrated stability despite faunal and environmental change
Anderson PS, Friedman M, Brazeau MD, Rayfield EJ.
Nature. 2011 Jul 6;476(7359):206-9. doi: 10.1038/nature10207.

脊椎動物は顎口類(gnathostomes)と無顎類に分けられますが、現生の99%は顎口類です。顎口類はシルル紀(4.44〜4.16億年前)には既に誕生しており、デボン紀末(3.59億年前)には陸上に進出しています。この研究では無顎類が衰退し顎口類が取って代わるエムシアン(約4億年前)よりも以前に顎の形態的な異種性(disparity)はピークに達しており、顎の獲得により無顎類を駆逐した、あるいは無顎類が持っていたニッチに取って代わることで多様化を果たしたわけではないことを示しています。

この研究によると、これによると顎の異種性はデボン紀初期には最大になり、その後はほとんど変化しない状態が続きます。以下の顎口類の5つのグループについて個別に解析を行うと、

・Acanthodii, spiny sharks, 棘魚類(顎口類の初期分岐の1つ)
・Actinopterygii, ray-finned fishes, 条鰭類(ほとんどの硬骨魚を含むグループ)
・Chondrichthyes, cartilaginous fishes, 軟骨魚類(サメ、エイ、ギンザメなどを含むグループ)
・Placodermi, armoured stem gnathostomes, 板皮類(顎口類の初期分岐の1つ)
・Sarcopterygii, lobe-finned fishes, 肉鰭類(シーラカンス、肺魚、四足動物を含むグループ)
以上の相互関係は、
((((肉鰭類、条鰭類)、棘魚類)、軟骨魚類)、板皮類)が有力であるらしい。

デボン紀に異種性が大きかったのは肉鰭類と板皮類の2群で他のグループでは異種性に乏しいという結果が得られました。肉鰭類内部では、四足動物の顎の形態は祖先の魚と大きな変化は見られない一方で、肺魚類では著しい変化が認められました。板皮類はデボン紀を通じて優占的な地位を保ち、形態的にも異種性が大きく、デボン紀ー石炭紀の絶滅の直前まで異種性を保っていました。棘魚類はシルル紀には非常に異種的でしたが、デボン紀には異種性を減らしています。

2011年8月27日土曜日

2番目のハキリアリのゲノム

ハキリアリの1種Acromyrmex echinatiorのゲノムが報告されました。
The genome of the leaf-cutting ant Acromyrmex echinatior suggests key adaptations to advanced social life and fungus farming.
Nygaard S, Zhang G, Schiøtt M, Li C, Wurm Y, Hu H, Zhou J, Ji L, Qiu F, Rasmussen M, Pan H, Hauser F, Krogh A, Grimmelikhuijzen CJ, Wang J, Boomsma JJ.
Genome Res. 2011 Aug;21(8):1339-48. Epub 2011 Jun 30.

最近PLoS Geneticsにゲノムが報告されたのは別属のハキリアリAtta cephalotesでした。いわゆるハキリアリとはAttaAcromyrmexの2属のアリを指します。
Illuminaで全ゲノム配列の100倍相当の配列を読み、ゲノム解読された多種のアリと比較しています。この種の女王アリは複数の雄と交尾したり、たまに2倍体の雄が生まれたりという、他のアリにあまり見られない特徴をもっているそうですが、それらの原因らしきゲノムの特徴がわかったようです。

2011年8月26日金曜日

サンゴのゲノム

サンゴの1種、コユビミドリイシAcropora digitiferaのゲノムが解読されました。AcroporaとイソギンチャクNematostellaは約5億年前に分岐したと推定され、またAcroporaはシステイン合成系の遺伝子を欠いているそうです。

Using the Acropora digitifera genome to understand coral responses to environmental change.
Shinzato C, Shoguchi E, Kawashima T, Hamada M, Hisata K, Tanaka M, Fujie M, Fujiwara M, Koyanagi R, Ikuta T, Fujiyama A, Miller DJ, Satoh N.
Nature. 2011 Jul 24;476(7360):320-3. doi: 10.1038/nature10249.

2011年8月25日木曜日

10万人が受講する講義

スタンフォード大学のニュースから。

Free computer science courses, new teaching technology reinvent online education

この秋スタンフォード大学が提供するオンラインコースが今こちらで話題になっています。この記事では、登録者5万8千人と書いてありますが、調べたところ、ある講義の受講者はなんともう10万人を超えていました。

スタンフォードが開発した新しいオンラインコースのツールを使ってできるだけ双方向の講義を展開する予定だそうです。スタンフォードで実際に行われる授業をオンライン向けに改変して配信し、質問もリアルタイムではないながらも可能です。宿題も試験もあります。残念ながら修了証や単位はもらえません。

開講されるのは以下の3コース。
Machine Learning
Introduction to Artificial Intelligence
Introduction to Databases

海外からでも受講は可能です。


2011年8月24日水曜日

ES細胞とiPS細胞から始原生殖細胞

胚性幹(ES)細胞や人工多能性幹(iPS)細胞の研究がすごい勢いで進んでいます。最近網膜を作ったと思ったら次は始原生殖細胞だそうです。

iPS細胞から精子、出産 京大、マウス実験 孫も誕生

原著論文はこちら。
Reconstitution of the Mouse Germ Cell Specification Pathway in Culture by Pluripotent Stem Cells.
Hayashi K, Ohta H, Kurimoto K, Aramaki S, Saitou M.
Cell. 2011 Aug 3. [Epub ahead of print]

この研究では、ES細胞やiPS細胞を細胞培養することで、始原生殖細胞に似た細胞(primordial germ cell-like cells (PGCLCs))へと誘導することに成功しています。その間には、epiblast-like cells (EpiLCs)の段階を経ています。これはepiblast(胚体外胚葉)に似た細胞で、生殖細胞の発生と同じ中間段階を経ていると見なすことができます。この始原生殖細胞に似た細胞をマウスの精巣に入れると精子が正常に作られ、体外授精(体外受精?)で子供ができました。
すなわち、始原生殖細胞から精子への誘導は今後の課題ですが、確かに不妊治療への大きな第一歩です。

2011年8月23日火曜日

七夕ミーティングのため日本へ

まだ時差ボケから復調しないまま、また日本出張です。横浜理研で開かれるGSC七夕ミーティングに参加してきます。

Genomic Sciences Research Complex(GSC)七夕ミーティング2011

JALのサンフランシスコー羽田便は東京出張にはとても便利です。成田から都心に出るのは非常に大変なので。

2011年8月22日月曜日

個人ゲノム解読から人類集団の歴史に迫る

論文メモ。
Inference of human population history from individual whole-genome sequences
Li H, Durbin R.
Nature. 2011 Jul 13;475(7357):493-6. doi: 10.1038/nature10231.

現生人類は約6万年前に強いボトルネックを受けたと考えられている。この論文では、解読された個人ゲノム(中国1人、朝鮮1人、ヨーロッパ3人、ヨルバ2人(下記参照))配列にpairwise sequentially Markovian coalescent modelを適用して、より詳細な人類集団の歴史を明らかにしている。これによると中国人とヨーロッパ人は1万から2万年前には同程度の集団サイズを持ち、1万から6万年前に強いボトルネックを受けている。一方アフリカ人は顕著なボトルネックは受けていない。6万から25万年前には有効集団サイズはもっと大きかった。

ヨルバ人(Ọmọ Yorùbá)は、アフリカの民族。主にナイジェリア南西部に居住し、西アフリカ最大の民族集団のひとつ。総人口は3000万人程度でほとんどはナイジェリア国内に居住する。熱帯雨林やサバンナの中に点在する都市を中心にした都市国家を築いてきた歴史を持つ。

2011年8月21日日曜日

科研費3割カット?

<東日本大震災>科学研究費補助金が減額される可能性

噂には聞いていましたが、まさか現実になりそうとは...

タスマニアデビルのゲノム

最新号のRepbase Reportsでタスマニアデビルの転移因子が報告されているのでその関連です。

感染性の癌(Devil Facial Tumor Disease)により急速に生息数が減少しているタスマニアデビルSarcophilus harrisiiのゲノムが解読されました。タスマニアデビルはフクロオオカミThylacinus cynocephalusの絶滅後、現生最大の肉食性有袋類です。著者らは2頭のタスマニアデビルのゲノムを次世代シーケンサーで解読しています。
これによると現在見られるタスマニアデビルの遺伝的多様性の低さはDFTDの流行よりも100年以上古いと見られるそうです。従って、DFTDの流行により多様性が減少したのではなく、逆に多様性の低さがDFTDの流行につながっているのかもしれません。

Genetic diversity and population structure of the endangered marsupial Sarcophilus harrisii (Tasmanian devil).
Miller W, Hayes VM, Ratan A, Petersen DC, Wittekindt NE, Miller J, Walenz B, Knight J, Qi J, Zhao F, Wang Q, Bedoya-Reina OC, Katiyar N, Tomsho LP, Kasson LM, Hardie RA, Woodbridge P, Tindall EA, Bertelsen MF, Dixon D, Pyecroft S, Helgen KM, Lesk AM, Pringle TH, Patterson N, Zhang Y, Kreiss A, Woods GM, Jones ME, Schuster SC.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 Jul 26;108(30):12348-53. Epub 2011 Jun 27.

2011年8月20日土曜日

預け金

1300の大学・機関を調査へ 業者に研究費預け積み立て 大学教授ら不正経理

東工大を端緒として、東京学芸、慶応、上智、立教、東京女子医科などの大学で出入りの業者に架空の発注をしたことにしてお金を預け、次年度にそのお金で別の物品を買うという不正が横行していたことが発覚しました。

単年度会計制度の問題で、研究費が3月から6月まで使えないギャップが生じていたのが背景にあるのは事実ですが、不正は不正。やってはいけないことです。むしろ制度の不備で研究に支障を来たすとすればそれは政府の問題であり個々の研究者の問題ではないのですから、不正をしてまで研究を遂行する必要はないのではないでしょうか?

とは言ってみたものの、
研究は予想外のことが起こるからこそ意義があるもので、前年度に立てた予定通りに研究が進むようならば、それは、よっぽど良く練られた研究なのか、あるいは全く面白みの無い知識の再確認なのかいずれか、おそらくは後者でしょう。

どの業界でもそうなのでしょうが、不正を防ぎつつある程度の柔軟性を与えられるような制度設計が望まれます。

2011年8月19日金曜日

Young Reseachers Conference on Evolutionary Genomics

京都で開かれたSMBE2011、進化学会に引き続いて、8/1-2に東京で開かれたYoung Reseachers Conference on Evolutionary Genomicsに参加してきました。

発表者の多くは若くしてラボを持っている人たちでした。といっても発表を聞いてみると、決して雲の上の人たちではなく、研究の質としては自分の研究のレベルに近いと感じました。(あくまで主観です。)その点では、励みにもなると同時に、口惜しくもあるミーティングでした。

ポスター発表をしましたが、口頭発表がメインでポスターはついでのようなもの。やっぱり口頭発表に呼ばれるように日頃から努力すべきだと痛感。

その後の懇親会は参加せず。初めての帰国でいろいろと予定があったので欠席にしておいたのですが、参加した方が良かったのかもしれません。

2011年8月18日木曜日

真社会性の誕生に必要なもの

論文メモ。
Monogamy and haplodiploidy act in synergy to promote the evolution of eusociality
Fromhage L, Kokko H.
Nat Commun. 2011 Jul 19;2:397. doi: 10.1038/ncomms1410.

一夫一婦制と半倍数性が真社会性の進化を促すことをモデルを作ることで示した論文。一夫一婦制も半倍数性もコロニー内の血縁度を上昇させる要因になるので、血縁選択による真社会性の進化を支持する内容である。
代表的な真社会性動物である膜翅目昆虫(アリ、ハチの仲間)は半倍数性の性決定を行います。一方、アブラムシやシロアリなど他の真社会性昆虫は半倍数性ではありませんし、アリ類でも全種が一夫一婦制をとるわけではないので、上述の2つは必要条件ではありません。

ちなみにWikipediaによると真社会性の定義は以下のもの。

# 共同して子の保護が行われる
# 繁殖の分業、特に不妊の個体が繁殖個体を助けること
# 少なくとも親子二世代が共存、子の世代が巣内の労働をする程度に成長するまで共存する

2011年8月16日火曜日

始祖鳥は鳥か?

始祖鳥Archaeopteryxは初期鳥類の代表格ですが、最近ではその地位に疑いが出ているようです。以下の論文では、新種の獣脚類(theropod)恐竜Xiaotingia zhengiの化石を解析した結果、始祖鳥とその仲間のXiaotingia及びAnchiornisの系統的位置が鳥類ではなく、Deinonychosauria(ディーノニクス類、鳥類に近い獣脚類恐竜のグループでドロマエオサウルスDromaeosaurusやヴェロキラプトルVelociraptorを含む)になったという結果を報告しています。ただし、統計的な支持は強くなく、始祖鳥の地位に再考が必要だろうと提案するにとどまっています。
ちなみにDeinonychosauriaとAvialae(鳥類とそれに近縁な獣脚類恐竜)を含むグループをParavesと呼ぶそうです。

An Archaeopteryx-like theropod from China and the origin of Avialae
Xu X, You H, Du K, Han F.
Nature. 2011 Jul 27;475(7357):465-70. doi: 10.1038/nature10288.

2011年8月15日月曜日

Workshopの写真

座長のDr. Makalowskiが自身のFacebookにWorkshopの様子を撮影した写真を投稿してくれました。

2011年8月14日日曜日

Repbase Reports 11(7)

Repbase Reportsの今年第7号が公開されました。今号は2種の植物(ワインブドウVitis vinifera、トウモロコシZea mays)と有袋類のタスマニアデビルSarcophilus harrisiiの転移因子を報告しています。

Repbase Reports 2011, Volume 11, Issue 7

2011年8月12日金曜日

チンパンジーよりヒトに近いオランウータン(のゲノムの一部)

論文メモ。

Incomplete lineage sorting patterns among human, chimpanzee, and orangutan suggest recent orangutan speciation and widespread selection
Hobolth A, Dutheil JY, Hawks J, Schierup MH, Mailund T.
Genome Res. 2011 Mar;21(3):349-56. Epub 2011 Jan 26.

incomplete lineage sorting(ILS)は新しく生まれた種内で多型が固定する前に次の種分化が起こることにより、ある遺伝子型が直近でない種の間で保存される現象を指します。著者らはILSをヒト、チンパンジー、オランウータンの3者ゲノム比較からゲノムの1%程度がILSを受けていること、ヒトとチンパンジーの共通祖先の有効集団サイズは5万程度であり、強いボトルネックを受けていないこと、ヒト/チンパンジーとオランウータンの分岐を900から1300万年前、ヒトとチンパンジーの分岐を400万年前程度である、などと示唆する結果を得ています。
手法としてcoalescent hidden Markov model (HMM)を用いて解析していますが、詳細はMaterials & Methodsを見ないとわかりません。信頼性が高いのだったら有用なツールになりそうです。

2011年8月5日金曜日

SMBE2011参加記録

SMBE2011に参加しました。簡単に参加記録を。

初日26日は参加受付とWelcome Receptionのみ。会場の入り口で早速友人と再会。Welcome Receptionでも多くの友人知人と会う。翌日のWorkshopの座長Dr. Makalowskiにも挨拶。昨年GIRIで会って以来。

2日目27日は自身の発表があるWorkshopに参加。プログラムは、
Workshop 2: Reverse transcriptase as an evolutionary force

9:30- 9:30 Wojciech Makalowski: Reverse transcriptase - the remarkable evolutionary machine
9:30- 9:50 Brosius: The RNA world we are still living in
9:50-10:10 Makalowska: Retrogenes and the mode of their evolution
10:10-10:30 Long: Phenotypes of retrogenes and evolution of developmental genetic programs
10:30-10:45 Cordaux: Remarkable abundance and evolution of reverse transcriptases in a bacterial endosymbiont (Wolbachia)
10:45-11:00 Pande: Regulatory landscaping of transposable elements during interlaced transcription
11:00-11:15 Takeshita: Comparative genomics of retrogenes in green algae
11:15-11:30 Kojima: Ancient domestication of tyrosine recombinase-encoding crypton family of DNA transposons
11:30-11:45 Sakai: Retrogenes in rice (Oryza sativa L. ssp. japonica) are old, functional and exhibit correlated expression with their source genes
11:45-12:00 Ohshima: Origin of the polyA connection: plant L1 Retrotransposons may have lost the specific recognition of RNA template for reverse transcription in parallel with mammalian L1s

午後は、
Symposium 4: Symbiosis as the source of evolutionary novelties

Workshop 8: Virus evolution

3日目28日は、
Symposium 7: New approaches in ancient DNA
Contributed Oral Presentation 6: Animal evolution
Special Symposium: Honoring late Walter M. Fitch
Special Session: History of Molecular Biology and Evolution
合間に京都大学総合博物館の「花の研究史 京都大学の植物標本」を観覧。久しぶりの夕立を経験。

4日目29日は、終日みやこめっせでPlenary TalkからWalter Fitch Student Symposium、バンケットまで。

5日目30日は、
Symposium 13: Present and future of the neutral theory

午後からは進化学会のプログラムで、
WS1-0730A Evolution of beetle weapons: For the integrative understanding of morphology, behavior and development
武器甲虫の進化学~形態・行動と発生機構の統合的理解に向けて~
に参加。その後ポスターを見る。

2011年8月2日火曜日

Zinc Finger Nucleaseの進歩

以前はZinc Finger Nucleaseなんてうまくいかないんじゃないかと思っていましたが、最近の発展は目をみはるものがあります。

Targeted Genome Editing Across Species Using ZFNs and TALENs
Wood AJ, Lo TW, Zeitler B, Pickle CS, Ralston EJ, Lee AH, Amora R, Miller JC, Leung E, Meng X, Zhang L, Rebar EJ, Gregory PD, Urnov FD, Meyer BJ.
Science. 2011 Jun 23. [Epub ahead of print]

線虫で特異的な遺伝子破壊を可能にするZinc Finger Nuclease (ZFN)とtranscription activator-like effector nucleases (TALEN)を開発したという短報。

2011年8月1日月曜日

ゴリラのゲノム

ゴリラのゲノムが解読されました。

Gorilla genome structural variation reveals evolutionary parallelisms with chimpanzee.
Ventura M, Catacchio CR, Alkan C, Marques-Bonet T, Sajjadian S, Graves TA, Hormozdiari F, Navarro A, Malig M, Baker C, Lee C, Turner EH, Chen L, Kidd JM, Archidiacono N, Shendure J, Wilson RK, Eichler EE.
Genome Res. 2011 Jun 21. [Epub ahead of print]

解読されたのはニシローランドゴリラのゲノムです。7,665のゴリラ系統特有の構造変化を見つけ、特にゴリラでは他の類人猿系統に比べてsegmental duplicationが多いことがわかりました。チンパンジーとゴリラでは、ヒトとオランウータンと比較して、レトロウイルスの挿入やsegmental duplicationが多く、ゲノムは「より派生的」といえる特徴を持っているそうです。