2012年12月10日月曜日

レトロウイルスの復活

Resurrection of endogenous retroviruses in antibody-deficient mice
Young GR, Eksmond U, Salcedo R, Alexopoulou L, Stoye JP, Kassiotis G.
Nature. 2012 Nov 29;491(7426):774-8. doi: 10.1038/nature11599. Epub 2012 Oct 24.
PMID: 23103862 [PubMed - in process]

マウスの系統C57BL/6 (B6)のゲノムには複製可能な内在性murine leukaemia viruses (MLVs)は存在しない。しかし、抗体産生に欠陥のあるマウスでは、組換えにより偶然複製可能なMLVが出現することが明らかになった。更にはこのMLVはマウスにリンパ腫も引き起こす。このMLVの組換えによる活性化は、腸内細菌を減らしたり無くしたりすることで抑制できる。つまり、腸内細菌とマウスとの相互作用が刺激となって、細胞内で壊れたMLV同士の組み換えが誘発され、結果として癌を引き起こすという関係が示唆されている。

ちなみに、
MLVはガンマレトロウイルスに属しており、ガンマレトロウイルスが内在化したものはendogenous retrovirus 1 (ERV1)と呼ばれています。

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