2012年5月8日火曜日

シーラカンス二題

生きた化石と言われるシーラカンスは肉鰭類の唯一の生き残りのグループです。このシーラカンスは3億8千万年前(デボン紀中期)の時点で既に現生のシーラカンスとほとんど変わらない形態を持っていた事がしられていましたが、遡って4億年前(デボン紀初期)から既にこの形態を持っていた事がわかりました。今回見つかったのは新種Euporosteus yunnanensis sp. nov.の頭骨です。

中国で最古のシーラカンス 4億年前から同じ姿

原著論文はこちら↓。
Earliest known coelacanth skull extends the range of anatomically modern coelacanths to the Early Devonian
Zhu M, Yu X, Lu J, Qiao T, Zhao W, Jia L.
Nat Commun. 2012 Apr 10;3:772. doi: 10.1038/ncomms1764.
PMID: 22491320 [PubMed - in process]


その一方で過去にはシーラカンスらしからぬ形態に進化したグループもいたようです。それはRebellatrix divaricercaと命名された2億5千万年前(三畳紀初期)の種で、前代ペルム紀末の大量絶滅で空いたニッチに進出するためにマグロのような遊泳能力を獲得したようです。現生のシーラカンスは待ち伏せ型の捕食をするように体ができていますが、Rebellatrixの体は長距離を追跡するようにできています。

新種シーラカンス、カナダで化石発見

原著論文はこちら↓。
A fork-tailed coelacanth, Rebellatrix divaricerca, gen. et sp. nov. (Actinistia, Rebellatricidae, fam. nov.), from the Lower Triassic of Western Canada


写真は東工大で撮影した現生シーラカンスLatimeria chalumnaeのプラスチネーション標本。

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