2011年12月24日土曜日

新しい逆転写酵素"遺伝子"

我々も同じものを発見していたのですが、まとめる前に先を越されました。

A widespread class of reverse transcriptase-related cellular genes
Gladyshev EA, Arkhipova IR.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 Aug 29. [Epub ahead of print]

ワムシを始め、多くの真核生物の系統で、新しい逆転写酵素配列を発見した。このrvtと名付けられた逆転写酵素配列は
・イントロンを持つ
・比較的遠い種間でもシンテニーを示す
・強い負の淘汰圧を受けている
・タンパク質産生の阻害で転写量が飛躍的に増加する
・ヌクレアーゼやインテグラーゼを持たない
などの理由から利己的遺伝因子ではなく、遺伝子である。
rvtは弱いながらもRNAとDNA双方を合成可能であることがin vitroの解析から示されている。
系統上は、non-LTRレトロトランスポゾンの逆転写酵素とPrp8に近縁である。面白いのは、1種の原核生物からもrvtが見つかっていること、強い淘汰圧を受けておりながら明らかに分布は断片的であり、rvtが失われた種が多数見つかることである。

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