2012年10月5日金曜日

酵母の性決定遺伝子座

少なくとも出芽酵母の仲間の性決定遺伝子座は利己的遺伝子に由来します。トランスポゾンとホーミングエンドヌクレアーゼが遺伝子化されたことが既に示されています。

Unidirectional Evolutionary Transitions in Fungal Mating Systems and the Role of Transposable Elements
Gioti A, Mushegian AA, Strandberg R, Stajich JE, Johannesson H.
Mol Biol Evol. 2012 Oct;29(10):3215-26. Epub 2012 May 15.
PMID: 22593224 [PubMed - in process]

菌類で性を決定している座位はmating-type (mat) locusと呼ばれている。この論文ではアカパンカビの自家受精する4種としない1種のmat座の配列を決定して、既知の配列と比較している。自家受精しないものは共通の遺伝子配置を持っていたので、自家受精しないものが祖先型、自家受精するものはそれぞれしないものから派生したと考えられた。自家受精するものはアカパンカビ属で少なくとも4回独立に進化し、その内3回は半数体ゲノムに両方のmat座の配列が載る事で起こった事がわかった。このmat座の移動はもしかすると異なる位置のトランスポゾン間での組換えで起こったのかもしれない。

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