2012年10月23日火曜日

レンスキーらの進化実験

最近読み終わった「進化の存在証明」で紹介されていたレンスキーらの実験の、続報が出ていました。紹介されていた研究は、12系統の大腸菌をひたすら継代し続けるというものです。グルコースを添加した培地で維持し続けると、よりその環境で増殖に適した変異を持った個体が増殖することになります。そしてすぐに上限に達するのですが、あるとき、
とても濃い密度まで増加できる株が出現しました。その後の研究でこれは培地にpH調整のために添加されていたクエン酸をエネルギー源として利用できるように進化したためであることがわかりました。

Genomic analysis of a key innovation in an experimental Escherichia coli population
Blount ZD, Barrick JE, Davidson CJ, Lenski RE.
Nature. 2012 Sep 27;489(7417):513-8. doi: 10.1038/nature11514. Epub 2012 Sep 19.
PMID: 22992527 [PubMed - in process]

さて、今回の報告では、これらの株の継代中のゲノム配列の変化を調べています。クエン酸を利用できるようになるよりも10000継代も前から培養液中では3種類の遺伝子型が共存しており、その内の1つでタンデム遺伝子重複が起こり、クエン酸トランスポーターの遺伝子が発現するようになったということがわかりました。

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