2011年8月30日火曜日

顎の初期進化

論文メモ。
Fossil jawless fish from China foreshadows early jawed vertebrate anatomy

脊椎動物の2分類群、顎口類(有顎類)と無顎類の最大の違いは名前の通り顎の有無です。しかし、顎が進化的にどのようにして形成されたかはあまり明らかではありません。ostracodermsは絶滅した無顎類で、顎口類の祖先と目される生物群です。著者らはX線トモグラフィーを用いて、galeaspid(4.35億〜3.7億年前のostracodermの仲間)の化石の顎の2つの構造を明らかにしています。

1. 鼻嚢(nasal sac)の対が脳頭蓋(braincase)の中に位置する
2. 下垂体管腫(hypophyseal duct)が口腔(oral cavity)に向かって開く

鼻嚢の対と下垂体管腫が独立していることは顎口類と共通し、円口類(現生の無顎類)や他の絶滅した無顎類(osteostracans)とは異なる特徴で、このことは、顎が1回のイベントではなく、段階的に形成されたことを示している。

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