2011年8月22日月曜日

個人ゲノム解読から人類集団の歴史に迫る

論文メモ。
Inference of human population history from individual whole-genome sequences
Li H, Durbin R.
Nature. 2011 Jul 13;475(7357):493-6. doi: 10.1038/nature10231.

現生人類は約6万年前に強いボトルネックを受けたと考えられている。この論文では、解読された個人ゲノム(中国1人、朝鮮1人、ヨーロッパ3人、ヨルバ2人(下記参照))配列にpairwise sequentially Markovian coalescent modelを適用して、より詳細な人類集団の歴史を明らかにしている。これによると中国人とヨーロッパ人は1万から2万年前には同程度の集団サイズを持ち、1万から6万年前に強いボトルネックを受けている。一方アフリカ人は顕著なボトルネックは受けていない。6万から25万年前には有効集団サイズはもっと大きかった。

ヨルバ人(Ọmọ Yorùbá)は、アフリカの民族。主にナイジェリア南西部に居住し、西アフリカ最大の民族集団のひとつ。総人口は3000万人程度でほとんどはナイジェリア国内に居住する。熱帯雨林やサバンナの中に点在する都市を中心にした都市国家を築いてきた歴史を持つ。

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