2011年4月20日水曜日

スプライソソームの起源

Prp8, the pivotal protein of the spliceosomal catalytic center, evolved from a retroelement-encoded reverse transcriptase.
Dlakic M, Mushegian A.
RNA. 2011 Mar 25. [Epub ahead of print]

Prp8はスプライシングの活性中心にあるタンパク質で、おそらくsnRNAの配置を調節して活性を生み出す重要な機能を担っています。このPrp8の中央部分が逆転写酵素に由来することをこの研究ではbioinformaticsにより示しています。この逆転写酵素は原核生物のGroup II intronのコードするものに近く、Group II intronのRNAがスプライソソームのRNAの祖先であるという観察と合わせて考えると、スプライソソームは逆転写酵素をコードしたGroup II intronに由来することを示唆しています。
真核生物の特徴であるイントロンの誕生に、レトロエレメントが関わっていることを示した興味深い結果で、同じく真核生物の特徴である線状染色体を生んだテロメラーゼもレトロエレメントに由来することと合わせて、転移因子が如何に大進化に貢献しているかを示す好例だと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿