2011年6月29日水曜日

北国の巨大アリ

図書館で雑誌を読んで知った論文を検索して見つけました。
Giant ants spread in warm climes
写真あり。

Intercontinental dispersal of giant thermophilic ants across the Arctic during early Eocene hyperthermals.
Archibald SB, Johnson KR, Mathewes RW, Greenwood DR.
Proc Biol Sci. 2011 May 4. [Epub ahead of print]

始新世(5600万〜3400万年前)の約5000万年前に生息したアリの女王の化石がワイオミング州で見つかりました。Titanomyrma lubeiと名付けられたこの女王アリはハミングバードに匹敵する大きさで、アリとしては最大級です。ところで、現生最大のアリはアフリカに生息するDorylus属のアリで最大5センチにまでなります。ただほとんどの大型のアリが緯度の低い熱帯地方で見つかるのに対して、ワイオミングは緯度が高く、ドイツや南イングランドで見つかったアリととてもよく似ています。これはこのアリの仲間が北米とヨーロッパの間をおそらく北極圏を通って移動したことを示しています。このアリが生息した時代は地球上の気温が最も高かった時期の一つで、実際このアリの周囲ではセ氏20℃ほどで生息する植物が見つかっています。

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