2012年9月20日木曜日

子宮内膜でのプロラクチンプロモーターは転移因子由来

プロラクチンは下垂体前葉から分泌されるホルモンで、乳汁合成や妊娠維持など様々な機能を制御する。また胎盤や子宮でも産生されることが知られている。

Convergent Evolution of Endometrial Prolactin Expression in Primates, Mice, and Elephants Through the Independent Recruitment of Transposable Elements
Emera D, Casola C, Lynch VJ, Wildman DE, Agnew D, Wagner GP.
Mol Biol Evol. 2012 Jan;29(1):239-47. Epub 2011 Aug 2.
PMID: 21813467 [PubMed - indexed for MEDLINE]

ヒトを含む霊長類で子宮内膜でのプロラクチン産生を制御するプロモーターは内在性レトロウイルスのMER39に由来する。しかし霊長類以外でもプロラクチンを子宮内膜で合成するものは存在する.この研究では、子宮内膜でのプロラクチン産生は哺乳類共通の特徴ではない事を明らかにしている。子宮内膜でのプロラクチン産生はウサギ、ブタ、イヌ、アルマジロでは起こらない。起こるものでも、プロラクチンの子宮内膜での合成を制御するプロモーターは霊長類、マウス、ゾウでそれぞれ異なっていた。クモザルではヒトと同じMER39、マウスでは別の内在性レトロウイルスMER77、ゾウではnon-LTRレトロトランスポゾンのL1-2_LAから派生した配列がプロモーター機能を担っていた。従って、子宮内膜でのプロラクチン産生は別々の転移因子が取り込まれてプロモーター活性を提供する事で独立に進化して来た事がわかる。

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