以前からiPapers2が論文検索中に頻繁に落ちていました。ついに最近検索すると常に落ちるようになってしまったので、先日から他の論文整理ソフトを試しています。とりあえず無料のものを。
TogoDoc ClientはPubMedに登録された論文情報を使ってダウンロードされた論文を整理するソフトウェアです。私はほとんどPubMedしかチェックしない私にとってはこれで大丈夫かと思い、試してみました。
TogoDoc Client
論文ファイルの自動解析を行なうには、ダウンロード後、Database Center for Life Science (DBCLS)にアカウントを作る必要があります。
iPapersは論文をダウンロードしたらそのまま名前をつけて整理してくれるので大変重宝していたのですが、TogoDocにはそのような機能はありません。その代わりに、ブラウザーなどでダウンロードしたPDFファイルを自動で整理してくれる機能があります。自動解析でどの程度まで情報が取得できるか試してみました。結果として、いくつか問題点を発見。
(1)パスワードによる許可がないと情報の抽出が出来ない(保護された)PDFファイルでは、たとえPubMed IDを入力しても情報をPubMedから取ってこない。(Genes and Genetic Systems, 2002年のNucleic Acids Res, 2002年のEMBO Journalなどが該当した)
(2)たまに間違った論文情報を取ってくる。(これはマイナーな雑誌の論文に多かった。)
(3)マイナーな雑誌の論文の情報を検索すると重く、たまに落ちる。
(4)スキャンしたままで公開されているような古いPDFファイルは情報が取得できない。(これは改善の余地がなさそうですが...)
他の問題としては、
TogoDocから論文検索をしてもダウンロードできない場合が多い。
など。これは、新しい論文のPDFファイルは問題なく情報を抽出できるようなのでブラウザを使って解決できそうです。逆にTogoDocから論文を検索するメリットは無さそう。
PubMed検索と自分のところに保存された論文の検索が別々になってしまうので、同じ論文を何度もダウンロードしてしまう問題点がありそうです。内部で検索までできたiPapersより多少不便ですが、まあまあ使えそうなのでしばらく使ってみることにします。
2012年3月5日月曜日
2012年3月4日日曜日
新しい転移因子スーパーファミリーZisupton
新しいDNA transposon superfamilyとしてZisuptonが報告されました。
Zisupton - a novel superfamily of DNA transposable elements recently active in fish.
Böhne A, Zhou Q, Darras A, Schmidt C, Schartl M, Galiana-Arnoux D, Volff JN.
Mol Biol Evol. 2012 Feb;29(2):631-45. Epub 2011 Aug 27.
Volffのチームは以前から観賞魚のプラティーXiphophorus maculatusの研究を続けています。non-LTR retrotransposonのRex1, Rex3, Rex5, Rex6などの名前もRetrotransposable element of Xiphophorusの頭文字を取ったものです。BohneらはY染色体に挿入されている転移因子を発見し、Zisuptonと名付けました。このZisuptonと、他の生物のZisuptonを比較したところ、コードされているタンパク質の中央部に保存された領域が見つかり、おそらくこれが転移酵素であろうと考えられます。しかし、既知の転移酵素と比較しても類似性は示されず、本当に転移酵素かどうかはまだ不明です。また、そのC末側にUlp1あるいはOTUタイプのプロテアーゼがコードされています。転移の際に8塩基のtarget site duplicationを作ること、近縁のプラティー間で挿入多型が見られることからつい最近には転移していたこともわかりました。
真核生物のDNAトランスポゾンがコードしている転移酵素のほとんどはDDEタイプです。それ以外の酵素をコードしていることが明らかなのは、SuperfamilyレベルではHelitronとCryptonしかありません。また、AcademとNovosibについてはDDEタイプなのかどうかが配列レベルでは判断できません(Yuan&Wessler(2011)ではDDEタイプとしてますが私は疑問を持っています)。Zisuptonは明確にDDEタイプではないので、実際どのような機構によって転移しているのか興味が持たれます。
Zisupton - a novel superfamily of DNA transposable elements recently active in fish.
Böhne A, Zhou Q, Darras A, Schmidt C, Schartl M, Galiana-Arnoux D, Volff JN.
Mol Biol Evol. 2012 Feb;29(2):631-45. Epub 2011 Aug 27.
Volffのチームは以前から観賞魚のプラティーXiphophorus maculatusの研究を続けています。non-LTR retrotransposonのRex1, Rex3, Rex5, Rex6などの名前もRetrotransposable element of Xiphophorusの頭文字を取ったものです。BohneらはY染色体に挿入されている転移因子を発見し、Zisuptonと名付けました。このZisuptonと、他の生物のZisuptonを比較したところ、コードされているタンパク質の中央部に保存された領域が見つかり、おそらくこれが転移酵素であろうと考えられます。しかし、既知の転移酵素と比較しても類似性は示されず、本当に転移酵素かどうかはまだ不明です。また、そのC末側にUlp1あるいはOTUタイプのプロテアーゼがコードされています。転移の際に8塩基のtarget site duplicationを作ること、近縁のプラティー間で挿入多型が見られることからつい最近には転移していたこともわかりました。
真核生物のDNAトランスポゾンがコードしている転移酵素のほとんどはDDEタイプです。それ以外の酵素をコードしていることが明らかなのは、SuperfamilyレベルではHelitronとCryptonしかありません。また、AcademとNovosibについてはDDEタイプなのかどうかが配列レベルでは判断できません(Yuan&Wessler(2011)ではDDEタイプとしてますが私は疑問を持っています)。Zisuptonは明確にDDEタイプではないので、実際どのような機構によって転移しているのか興味が持たれます。
2012年3月3日土曜日
Monarch Butterfly
2012年3月2日金曜日
2012年3月1日木曜日
Roy Britten
Asilomarの学会でも何度も紹介されていましたが、真核生物に反復配列があることを発見したRoy Brittenが今年1月21日に亡くなりました。全DNAのハイブリダイゼーション実験でゲノムサイズから考えられるよりもとても速くハイブリダイズするDNAがあることにより示されました。反復配列による遺伝子制御という概念を提唱されたのも1970年代です。まさに我々の業界の先駆者です。
Roy John Britten (Wikipedia)
今回の学会にもボスが招待していたのですが、その時には既に体調が悪く、欠席の連絡を受けていました。是非一度お会いしたかったのでとても残念です。
Roy John Britten (Wikipedia)
今回の学会にもボスが招待していたのですが、その時には既に体調が悪く、欠席の連絡を受けていました。是非一度お会いしたかったのでとても残念です。
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