2015年5月6日水曜日

周辺配列により変化するModA11メチル化酵素のメチル化効率

研究室の論文紹介より。

Specificity of the ModA11, ModA12 and ModD1 epigenetic regulator N6-adenine DNA methyltransferases of Neisseria meningitidis.
Seib KL, Jen FE, Tan A, Scott AL, Kumar R, Power PM, Chen LT, Wu HJ, Wang AH, Hill DM, Luyten YA, Morgan RD, Roberts RJ, Maiden MC, Boitano M, Clark TA, Korlach J, Rao DN, Jennings MP.
Nucleic Acids Res. 2015 Apr 30;43(8):4150-62. doi: 10.1093/nar/gkv219. Epub 2015 Apr 6. PubMed PMID:25845594.

病原細菌の遺伝子の中には、タンパク質のN末領域に相当する位置に短い反復配列があり、増殖中にたびたびフレームシフトが起こるものがある。これをphasevarionと呼ぶ。髄膜炎菌Neisseria meningitidisの2座位(modA, modD)のメチル化酵素遺伝子には、phasevarionがある。また、同じ座位でありながら、modAでは、2種類の異なるメチル化酵素(ModA11, ModA12)がコードされている。PacBio sequencingによりそれぞれのメチル化酵素の標的配列が、CGYmAG(ModA11), ACmACC(ModA12), CCmAGC(ModD1)であることがわかった。ModA11によるメチル化の効率は周辺配列によって影響を受ける。傾向として上流にA,下流にTがあるとメチル化効率が良い。
研究当初はphasevarionによる影響を期待して始められたようだが、論文では、周辺配列によりModA11によるメチル化の効率が影響を受ける点が強調されている。

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