2012年2月22日水曜日

Asilomar Conference on Recombinant DNA

今週末からGIRIの主催で開催される学会"3rd International Conference/Workshop Genomic Impact of Eukaryotic Transposable Elements"の会場Asilomar Conference Groundは1975年にAsilomar Conference on Recombinant DNA(アシロマ会議)が開催された場所でもあります。

Wikipediaの記事によると、
発端は組み換え技術を開発したポール・バーグが腫瘍学者のロバート・ポラックにその危険性を指摘されたことに始まる。最初は反発したバーグだったがポラックに説得され、米科学雑誌サイエンスにジェームズ・ワトソンらなどと連名で遺伝子組み換えのガイドラインに関する国際会議を行うことを呼びかける。この会議はアシロマの国際会議場で開催された。
会議は紛糾したが、シドニー・ブレナーによって提案された「生物学的封じ込め」によって合意をみる。また各国はこの会議に基づいて「物理学的封じ込め」などのガイドライン制定を行った。日本では「組換えDNA実験指針」が取り決められた。

我々の世代の生物学者にとっては、研究を始めた時点で当然だった遺伝子組み換え実験の規制、指針が始まったのがこのアシロマ会議ということです。この会議は科学者自身の手によって研究の方向性を決めた点で、近代生物学の大きな転換点だったのだと思います。もしこの会議が開かれなかったらどうなっていたのでしょうか?この会議の前には、遺伝子組み換え実験の一時停止の呼びかけがなされています。今、インフルエンザウイルスの人工合成の研究が一時停止されています。この問題の解決も科学者が主導して解決していけるよう期待しています。

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