2012年1月23日月曜日

細菌感染で卵が増える

Wolbachiaは母系感染するバクテリアで、昆虫や線虫に感染します。面白いのは、Wolbachiaは卵の細胞質を通じて子孫に感染することで垂直伝播する戦略を取っており、そのために様々な方法で自分の感染する卵の数を最大にしようとします。例えば、宿主の性別を雌に変化させて卵を生産させるなどです。しかし、実際にどのようにしてWolbachiaが宿主の性をコントロールしているのかはわかっていません。

Wolbachia Enhance Drosophila Stem Cell Proliferation and Target the Germline Stem Cell Niche
Fast EM, Toomey ME, Panaram K, Desjardins D, Kolaczyk ED, Frydman HM.
Science. 2011 Nov 18;334(6058):990-2. Epub 2011 Oct 20.

この論文では、ショウジョウバエの1種Drosophila mauritianaに感染したWolbachiaが生殖幹細胞の細胞分裂を誘導し、逆に細胞死を抑制することで卵の数を未感染の個体の場合の約4倍に増やしているという報告をしています。

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