2012年1月19日木曜日

最初のアメリカ人

Scientific Americanの2011年11月号に「The 1st Americans」という記事が載っていました。南北アメリカ大陸に最初に到達した人類がどこから来て、どのようにして生活していたのかについて人類学考古学分野の最近の研究を紹介したものです。

Scientific American November 2011 Issue

記事によると、

旧来の説(Clovis First説)では、約13000年前に大型動物を狩る狩猟グループがベーリング陸橋(氷河期でベーリング海峡の海面が下がって出来ていた陸地)を通り、氷河が縮退した間を通り抜けて、獲物の多い南方へ速やかに移動したと考えられていました。しかし最近の研究の進展により、それ以前15000年前には既にアメリカ大陸に人類が住んでおり石器を使っていた痕跡が見つかってきました。20000年前にもベーリング陸橋の南側は氷河に覆われていなかったこともわかってきました。

そこで、最近の学説では、以下のように考えられています。

20000年前には既に北アジア(シベリア)から一部の人類がベーリング陸橋の周辺に移動し、海生哺乳類、鳥類などを狩りながら長期にわたって住んでいました。彼らはおそらく舟を使って、海岸伝いにベーリング陸橋から北アメリカ西岸を移動し、最終的には南アメリカに到達しました。この過程はゆっくりとしたもので寒い地域を一気に通り抜けるというものではなかったようです。一方、旧来の説と同様に氷河が縮退してきた15000年前頃には大型動物を狩る狩猟民族がロッキー山脈の東側に出来た、氷河の隙間を通って南下しました。

氷河期というと辛い苦しい時代のいう印象を受けますが、むしろ豊かな時代だったのかもしれません。

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