2011年9月27日火曜日

ホーミングエンドヌクレアーゼI-CreIの標的認識

論文メモ。
Context dependence between subdomains in the DNA binding interface of the I-CreI homing endonuclease
Grizot S, Duclert A, Thomas S, Duchateau P, Pâques F.
Nucleic Acids Res. 2011 Aug 1;39(14):6124-36. Epub 2011 Apr 10.

ホーミングエンドヌクレアーゼは利己的な遺伝子の一種で、ゲノム中の特定の配列を切断し、そこに自身のコピーを修復機構に依存して挿入されることで集団中のコピー数を増やす。比較的短い配列を認識する制限酵素と異なり、比較的長い配列を認識するため、制限酵素と相補する形での遺伝子工学での応用が期待されている。ただし標的配列は通常ゲノム中に1コピーしかなく、そのままでの応用は困難である。従って、人為的に新しい標的配列を切断する酵素を作り出す必要があるが、そのためには、どのようにしてDNAを認識するのかについての理解が必要である。
この論文では、LAGLIDADGファミリーのホーミングエンドヌクレアーゼI-CreIのDNA結合領域にアミノ酸置換を体系的に導入して、その変化を調べている。その結果、3つの領域に分かれるDNA結合領域のそれぞれの領域をまたいだ相互作用はあまり強い影響を持たないことが明らかとなった。従って、新しい標的配列を認識する酵素を開発するためには、それぞれの領域を個別に改変したものを組み合わせることが可能であると考えられる。

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