2011年9月23日金曜日

擬態を維持する超遺伝子

Chromosomal rearrangements maintain a polymorphic supergene controlling butterfly mimicry
Joron M, Frezal L, Jones RT, Chamberlain NL, Lee SF, Haag CR, Whibley A, Becuwe M, Baxter SW, Ferguson L, Wilkinson PA, Salazar C, Davidson C, Clark R, Quail MA, Beasley H, Glithero R, Lloyd C, Sims S, Jones MC, Rogers J, Jiggins CD, ffrench-Constant RH.
Nature. 2011 Aug 14;477(7363):203-6. doi: 10.1038/nature10341.

Supergene(超遺伝子)はひとかたまりの遺伝子の集まりであり、組み換えにより分離しない。擬態する蝶の一種であるHeliconius numataでは2つの多型が維持されている。この多型の遺伝子座Pには、色彩に関与する、少なくとも2つの遺伝子が、400kbほどの間隔で18個以上の遺伝子を挟んで位置している。この2つの遺伝子の間では、近縁種では組み換えが起こるが、この種では全く組み換えが起こらないように抑制されている。機構は不明だが、このように複数の遺伝子があたかも1つの遺伝子のように振る舞うことで、大きな形態的差異をもたらす多型が維持されているらしい。

Heliconius numataのGoogle画像検索結果

Heliconius numataは南米原産のドクチョウ。

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