2012年4月10日火曜日

Cyanophora paradoxaのゲノム

狭義の植物の仲間は3つのグループに分けられます。すなわち、緑色植物、紅色植物、そして灰色植物です。灰色植物の葉緑体(シアネレ)は他の2グループと同じ共生に由来すると考えられてきましたが、とても原始的に見えるため、独立に取り込んだ藍藻であるという異論もありました。緑色植物では陸上植物を含めて多種のゲノムが、紅色植物では紅藻のCyanidioschyzon merolaeのゲノムが解読されていましたが、今回灰色植物のゲノムも解読されました。

Cyanophora paradoxa genome elucidates origin of photosynthesis in algae and plants.
Price DC, Chan CX, Yoon HS, Yang EC, Qiu H, Weber AP, Schwacke R, Gross J, Blouin NA, Lane C, Reyes-Prieto A, Durnford DG, Neilson JA, Lang BF, Burger G, Steiner JM, Löffelhardt W, Meuser JE, Posewitz MC, Ball S, Arias MC, Henrissat B, Coutinho PM, Rensing SA, Symeonidi A, Doddapaneni H, Green BR, Rajah VD, Boore J, Bhattacharya D.
Science. 2012 Feb 17;335(6070):843-7.
PMID: 22344442 [PubMed - in process]

これによると上記3グループが藍藻を共生した共通祖先を持っていること、葉緑体からの栄養の輸送と細胞質での保存のためにクラミジア類の細菌から遺伝子を取り込んだことが示されました。

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