大学院、来年度から修士論文不要に 試験などで審査
大学の自由度を上げるという意味では、法律で縛ることを廃止するのは良い傾向だと思います。ただ、個人的な意見としては、修士で就職する学生たちにこそ、修士論文を不要にすべきだと思います。修士卒の時点で求められる能力は与えられた研究を遂行する能力であって、立案からまとめまでする総合的な研究能力ではないでしょう。逆に博士まで進む学生には修士論文は研究をまとめる大切な練習です。博士課程は自立した研究者として即戦力になる人材を育てる場であるべきです。
記事には「専門分野には詳しいが応用が利かず、使いにくい」と評価されてきた、とありますがその理由は、知識偏重の詰め込み型の教育の結果であり、応用が利かないというのは、研究を自立的にできないということでしょう。
ただ、アメリカに来て感じたこととして、主専攻と違う分野もある程度学ぶという副専攻が非常に効率的に働いているということがあります。例えば、ここシリコンバレーでは医者がそこそこ(流ちょうに話せるわけではなく、本当にそこそこ)外国語を話せることが患者を獲得する上でのアドバンテージになっています。一つの分野で頂点を極めることはとても難しいが、複数の組み合わせであれば強みを活かすのはかなり容易になります。そういう点では、最初から専門を決めて自分の可能性を狭めてしまうのはもったいない選択ですし、そのような選択を強制するような教育システムにはすべきではないでしょう。
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