2011年8月24日水曜日

ES細胞とiPS細胞から始原生殖細胞

胚性幹(ES)細胞や人工多能性幹(iPS)細胞の研究がすごい勢いで進んでいます。最近網膜を作ったと思ったら次は始原生殖細胞だそうです。

iPS細胞から精子、出産 京大、マウス実験 孫も誕生

原著論文はこちら。
Reconstitution of the Mouse Germ Cell Specification Pathway in Culture by Pluripotent Stem Cells.
Hayashi K, Ohta H, Kurimoto K, Aramaki S, Saitou M.
Cell. 2011 Aug 3. [Epub ahead of print]

この研究では、ES細胞やiPS細胞を細胞培養することで、始原生殖細胞に似た細胞(primordial germ cell-like cells (PGCLCs))へと誘導することに成功しています。その間には、epiblast-like cells (EpiLCs)の段階を経ています。これはepiblast(胚体外胚葉)に似た細胞で、生殖細胞の発生と同じ中間段階を経ていると見なすことができます。この始原生殖細胞に似た細胞をマウスの精巣に入れると精子が正常に作られ、体外授精(体外受精?)で子供ができました。
すなわち、始原生殖細胞から精子への誘導は今後の課題ですが、確かに不妊治療への大きな第一歩です。

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