2011年8月18日木曜日

真社会性の誕生に必要なもの

論文メモ。
Monogamy and haplodiploidy act in synergy to promote the evolution of eusociality
Fromhage L, Kokko H.
Nat Commun. 2011 Jul 19;2:397. doi: 10.1038/ncomms1410.

一夫一婦制と半倍数性が真社会性の進化を促すことをモデルを作ることで示した論文。一夫一婦制も半倍数性もコロニー内の血縁度を上昇させる要因になるので、血縁選択による真社会性の進化を支持する内容である。
代表的な真社会性動物である膜翅目昆虫(アリ、ハチの仲間)は半倍数性の性決定を行います。一方、アブラムシやシロアリなど他の真社会性昆虫は半倍数性ではありませんし、アリ類でも全種が一夫一婦制をとるわけではないので、上述の2つは必要条件ではありません。

ちなみにWikipediaによると真社会性の定義は以下のもの。

# 共同して子の保護が行われる
# 繁殖の分業、特に不妊の個体が繁殖個体を助けること
# 少なくとも親子二世代が共存、子の世代が巣内の労働をする程度に成長するまで共存する

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