植物のミトコンドリアや色素体のイントロンのスプライシングを媒介するタンパク質はMat(Maturase)と呼ばれます。これらはGroup II intronの逆転写酵素に由来しますが、逆転写の活性は失われており、Group II intronのスプライシングを補助する役割だけが残されています。更に、ミトコンドリアのMatが核ゲノムに転移したものはnMATと呼ばれ、4種類nMAT-1から4(最初の論文では、1a, 1b, 2a, 2b)が知られています。
少し前の知見は、本サイトにまとめてあります。
44. 成熟は他人任せ:RIR-3とnMat
nMAT1, a Nuclear-encoded Maturase involved in the trans-splicing of nad1 intron 1, is essential for mitochondrial complex I assembly and function
Keren I, Tal L, des Francs-Small CC, Araújo WL, Shevtsov S, Shaya F, Fernie AR, Small I, Ostersetzer-Biran O.
Plant J. 2012 Mar 16. doi: 10.1111/j.1365-313X.2012.04998.x. [Epub ahead of print]
PMID: 22429648 [PubMed - as supplied by publisher]
この論文の著者らはnMAT2がArabidopsisのミトコンドリアタンパク質のいくつかの遺伝子のスプライシングに関わっていることをしめしています。この論文では、nMAT-1がnad1のintron 1とnad2のintron 1、nad4のintron 2のスプライシングに関わっていることを示しています。このうち、nad1 intron1はtrans-splicing、後2者はcis-splicingです。
おそらくはnMATは全てオルガネラのgroup II intronのスプライシングにそれぞれ関わっているのでしょう。これもオルガネラから必須遺伝子が核へ移行する大きな流れの一部なのでしょう。
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