2011年4月12日火曜日

CRISPR-Cas systemとRNase III

CRISPR RNA maturation by trans-encoded small RNA and host factor RNase III
Deltcheva E, Chylinski K, Sharma CM, Gonzales K, Chao Y, Pirzada ZA, Eckert MR, Vogel J, Charpentier E.
Nature. 2011 Mar 31;471(7340):602-7.

以前ホームページでも紹介したCRISPR-Cas system関係の最新論文。私も少し研究していたので興味が続いています。

CRISPR-Cas systemは種毎に多様性の大きなシステムです。共通の機構としてCRISPRに由来するRNA(crRNA)が転写、切断されてその短いRNAが感染防御に働くことがわかっています。しかし、その切断に関わることがわかっているタンパク質CasE, Cas6, Csy4が存在しない系も多数見つかっています。この論文ではそのような系であるStreptococcus pyogenesの系ではcrRNAの一部の配列に対応する相補鎖が別に合成され、crRNAと二重鎖を形成したものをRNase IIIとCsn1が切断することを示しています。
CRISPR-Cas systemの多様性を示す一例ですが、同時にsystem外のRNase IIIが関わっていることを示した意義が大きいようです。

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