2011年7月9日土曜日

The Cove

和歌山県の太地町で行われているイルカ漁を、クジラ漁反対の立場から描いたドキュメンタリー映画"The Cove"を見てみました。図書館から借りてきたDVDが一部壊れていたのと私の英語の理解力から、不完全ですが感想を書いておきます。

実質的には捕鯨妨害で悪名高いシーシェパードのプロパガンダ映画です。slaughter(虐殺、大量殺戮)という言葉を使ってセンセーショナルにしていますが、追い込み漁です。入り江にイルカを追い込んで動けなくなったところを刺殺するものです。一部は水族館や動物園に売られるそうです。太地町の漁師に対する悪意ある演出についてはWikipediaにも詳しく載っているので省略します。

さて、イルカ漁反対の理由をいくつかに分けて視聴者に訴えかけています。まとめると、
(1)イルカは知性が高い
(2)イルカは水銀を蓄積していて食べるのは健康上危険である
の2点が繰り返し強調されています。たしかにイルカは知性の高い動物でヒトの指示をある程度理解することができます。これはイルカショーを見ると明らかです。ただ知性と食用にすることには何の関連性もありません。もちろん食べたくない人は食べなくてよいでしょう。宗教にも絡んできますが、基本的には食べ物の好き嫌いの範疇なので。

(2)についてはよく知りませんが、生態系の頂点に近いところにいるイルカに水銀を含めた、分解されない毒物が蓄積するのは当然考えられることです。短期的にはわかりませんが、長期間ずっと食べ続けるというようなことはやめた方が良いかもしれません。実数値がわからないのでその程度しか言えません。

映画の後半は、イルカ漁を盗撮するために深夜に立ち入り禁止地区に入り込んで岩に偽装した赤外線カメラ等を設置する場面が描かれます。やってることは稚拙なのですが、こそこそしている感じが出ていて面白いです。お笑い番組で使われそうな演出です。

最後に。
イルカは小型の歯クジラ類の総称です。おそらく現代の日本語ではシャチがシャチ1種、クジラがイルカとシャチを除く歯クジラ類とヒゲクジラ類の総称として用いられています。一方英語では、クジラ類を示す言葉として、Whale, Dolphin, Porpoiseの3つがあり、Porpoiseがネズミイルカ類を指し、Dolphinが他のイルカ類、Whaleがクジラに相当する感覚です。

1 件のコメント:

  1. イルカの水銀問題を水俣病と結びつけていますが、全くのウソです。過去厚生省がガイドラインを出していますし、高い数値は食用にしていない肝臓の数値です。
    Dedfoxこと岩谷文太氏のブログが丁寧にまとめています。
    http://redfox2667.blog111.fc2.com/blog-entry-265.html
    知能についても、特別すぐれているという証拠はどこにもなく、彼らの引用する研究自体が20年前に挫折しています。少なくとも犬やサルとさほど変わりありません。

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