2012年10月6日土曜日

Complete Genomics

我々の研究所から、グーグルを挟んだ反対側にある企業Complete GenomicsがBGIに買収されるという話がNatureに載っていました。

China buys US sequencing firm

記事によるとComplete Genomicsはヒトゲノムの解読に特化した配列解読サービスを提供していて、その強みは間違いの少なさだそうです。間違いは1千万塩基に1つだとか。そのレベルだと父親由来と母親由来のハプロタイプが区別できます。今後は医療現場で個人のゲノムの完全解読が普及すると見込まれているので期待は大きいのですが、今のビジネスモデルでは成功しているとは言い難く、今回の買収に至ったようです。目下のところシーケンサーはIlluminaの独断場になっているのでComplete Genomicsの技術は市場から退場してしまうのは望ましくなく、今回の買収は好感されているそうです。目下のComplete Genomicsの技術の問題点はシーケンスに2-3ヶ月もかかるという点で、医療用途には魅力的ではありません。今後はBGIの支援を受けながら技術を改善させていくことが期待されています。

で、先日本社の看板を見てきました。臨海公園Shoreline@Mountain View Parkに行く途中に見えました。

2012年10月5日金曜日

酵母の性決定遺伝子座

少なくとも出芽酵母の仲間の性決定遺伝子座は利己的遺伝子に由来します。トランスポゾンとホーミングエンドヌクレアーゼが遺伝子化されたことが既に示されています。

Unidirectional Evolutionary Transitions in Fungal Mating Systems and the Role of Transposable Elements
Gioti A, Mushegian AA, Strandberg R, Stajich JE, Johannesson H.
Mol Biol Evol. 2012 Oct;29(10):3215-26. Epub 2012 May 15.
PMID: 22593224 [PubMed - in process]

菌類で性を決定している座位はmating-type (mat) locusと呼ばれている。この論文ではアカパンカビの自家受精する4種としない1種のmat座の配列を決定して、既知の配列と比較している。自家受精しないものは共通の遺伝子配置を持っていたので、自家受精しないものが祖先型、自家受精するものはそれぞれしないものから派生したと考えられた。自家受精するものはアカパンカビ属で少なくとも4回独立に進化し、その内3回は半数体ゲノムに両方のmat座の配列が載る事で起こった事がわかった。このmat座の移動はもしかすると異なる位置のトランスポゾン間での組換えで起こったのかもしれない。

2012年10月4日木曜日

ウシ亜科内のBov-Bの転移

要約だけでは内容がよくわからない...けれどとりあえずメモ。

Activity of Ancient RTE Retroposons during the Evolution of Cows, Spiral-Horned Antelopes, and Nilgais (Bovinae)
Nilsson MA, Klassert D, Bertelsen MF, Hallström BM, Janke A.
Mol Biol Evol. 2012 Oct;29(10):2885-8. Epub 2012 Jun 11.
PMID: 22688946 [PubMed - in process]

レトロトランスポゾンBov-Bを用いてウシ亜科の系統解析をしている。また、Bov-B由来のSINEの活性に3つの段階あった事が示されている。

2012年10月3日水曜日

カイツブリはフラミンゴと近縁

A Universal Method for the Study of CR1 Retroposons in Nonmodel Bird Genomes
Suh A, Kriegs JO, Donnellan S, Brosius J, Schmitz J.
Mol Biol Evol. 2012 Oct;29(10):2899-903. Epub 2012 Apr 20.
PMID: 22522308 [PubMed - in process]

この論文では、CR1の挿入の有無による系統推定を非モデル生物の鳥類に適用する方法について報告されている。その例として、カイツブリのゲノムを解析し、カイツブリがフラミンゴと近縁であることを示している。また、鳥類では初めての、種内多型を示すCR1の挿入を発見している。

2012年9月26日水曜日

始新世末の大量絶滅

最近Wikipediaを見ていて初めて知ったのでメモ。

Eocene–Oligocene extinction event

白亜紀末の大絶滅は有名ですが、それ以後にも大量絶滅がありました。これは始新世(Eocene)と漸新世(Oligocene)の境界にあたる約3,400万年前に起こりました。その原因は諸説ありますが、その一つは隕石の衝突で、Popigai、Toms Canyon、Chesapeake Bayの3つのクレーターを生んだ隕石衝突が寒冷化の原因とするものです。
Popigaiクレーターは直径100km、およそ3570万年前にできたと推定されているシベリアのクレーターです。
Chesapeake Bayクレーターは直径90km、およそ3500万年前にできたと推定されるクレーターで、北米バージニア州のChesapeake Bayの一部の地形を形作っています。
Toms Canyonクレーターはおよそ3500万年前にできたと推定されているクレーターで、Chesapeake Bayクレーターから約322km離れて、北米ニュージャージー州の沖合の海底に位置します。

原因を火山の噴火に求める仮説などもありますが、何が原因にせよこの時期を境にして地球は寒冷化に向かい、氷床の形成、海面の低下などが起こり、主に海洋動物が絶滅しました。南極の氷床の形成の開始はちょうどこの時期に一致します。