陸上脊椎動物とシーラカンス、肺魚の3グループの系統関係についてはまだ明確な結論は出ていません。また肺魚はある種のサンショウウオと並んで最も巨大なゲノムを持つ脊椎動物であり、その点でも興味深い生物です。以下の論文では、ゲノムサイズに主題をおいて、オーストラリア産肺魚ゲノムの転移因子を解析しています。
Evolution of the Australian Lungfish (Neoceratodus forsteri) Genome: A Major Role for CR1 and L2 LINE Elements
Metcalfe CJ, Filée J, Germon I, Joss J, Casane D.
Mol Biol Evol. 2012 Nov;29(11):3529-39. doi: 10.1093/molbev/mss159. Epub 2012 Jun 24.
PMID: 22734051 [PubMed - in process]
ゲノムライブラリーを作って反復配列を解析したところ、ゲノムの4割程度が反復配列であろうと推測された。その多くはCR1とL2の2グループのnon-LTR retrotransposonであった。CR1は最近増幅されたと見られ、一方L2はもっと古くに増幅の時期があったことがわかった。著者らはゲノムの大部分は古くに転移した転移因子に由来すると考え、その増幅の時期が3億5千万年前から2億年前で、その後配列があまり除去されなかったことが肺魚のゲノムサイズが大きい理由であろうと考えている。
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